館山の中2自殺:再アンケ実施 「遺族の感情顧みず」 父親が怒りの質問書 /千葉

館山の中2自殺:再アンケ実施 「遺族の感情顧みず」 父親が怒りの質問書 /千葉
毎日新聞 2012年11月20日(火)11時55分配信

 08年9月に起きた館山市の中学2年の男子生徒の自殺をめぐり、同市教委が4年前にさかのぼり、いじめとの関連について当時の同級生らに再アンケートを実施している問題で、男子生徒の父親は19日、市教委に対し「遺族の感情を顧みずに実施されたことに強い憤りを感じる」などとする質問書を提出、26日までに文書での回答を求めた。
 質問は4項目。市教委がすでに郵送した当時の同級生らの保護者あての協力依頼文について、4年前のアンケート原本を学校側が廃棄した事実が書かれていない点と、4年前のアンケートでは「いじめに関する記述はなかった」と事実に反する記載をしたという2点を指摘、「保護者にうその説明で協力を求めており、正確で新たな情報を得にくくしている」と批判し、それぞれ説明を求めた。
 このほか、遺族側が承諾しないまま、再アンケートをなぜ実施したのかについての説明なども求めたほか、いじめ問題の再発防止に向け、市教委と公開の場で話し合いを求めることを要望した。
 再アンケートは、4年前に男子生徒の自殺といじめの関係を調べるため中学が実施したアンケートの原本を、後任の中学校長が廃棄していたため、県教委の助言を受けて市教委が実施している。対象は自殺時の中学在校生全員と小学6年時代の同学年の生徒計約600人。「いじめを見たか」など3項目について記名式で回答するよう求めており、回答期限は22日。
 この時期に市教委に質問書を提出したことについて父親は「市教委は自分たちに都合の悪いことを隠して再アンケートを強行した。誠意のない市教委の姿勢を同級生や保護者に知ってほしいと思い、回答期限前に声を上げた」と説明した。
 市教委は「今後、対応を協議したい」としている。【中島章隆】
11月20日朝刊

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