<大学設置審査>文科省検討会、基準の厳格化などを議論

<大学設置審査>文科省検討会、基準の厳格化などを議論
毎日新聞 2012年11月21日(水)21時5分配信

 文部科学省の大学の設置認可の在り方を見直す検討会(座長・浦野光人ニチレイ会長)の初会合が21日、省内で開かれた。教員の質など大学設置の審査基準を厳格化したり、財務状況を透明化する方向で議論を進め、年内に提言をまとめる。

 検討会は、田中真紀子文科相が秋田公立美術大(秋田市)など来春新設される3大学の設置を一時不認可とした問題に関し、田中文科相自身が設置を提案した。冒頭、田中文科相は「認可の在り方の見直しは大臣になる前から考えていた。日本の将来がどうあるべきかの直言をいただきたい」と述べた。

 委員の林文子横浜市長は「大学の数を減らせば教育の質が上がるとは思えない」と指摘。「審査に地域の視点を入れることは必要」と提案した。清家篤慶応大学長は「大学の教育の質を開校前に専門家が評価する仕組みが必要」と述べるなど、審査の厳格化を求める意見も出た。解散命令が出されることが先月決まった堀越学園(群馬県高崎市)を取り上げ「財務状況をインターネット上で公開すべきだ」との指摘もあった。

 大学の新設は03年度に「抑制方針」を撤廃し緩和されてきた。一方、少子化で学生数が減り、私立大577校のうち約46%にあたる264校が定員を割り込むなど経営に問題を抱える大学が増加している。【石丸整】

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