大津市教育長人事案 越市長、任期内提出へ

大津市教育長人事案 越市長、任期内提出へ
産経新聞 2012年11月30日(金)7時55分配信

 ■議会批判受け軌道修正

 来月24日の任期満了で退任を予定している大津市の澤村憲次教育長(65)の後任人事をめぐり、12月定例市議会(12月3〜21日)中の人事案提出を見送る方針を打ち出していた越直美市長が、議会開会中か、任期満了ぎりぎりに臨時議会を開いて提出するよう方針転換したことが29日、わかった。越市長は「教育長を空白にする」としていたが、市議会からの厳しい批判を受け、軌道修正を余儀なくされた格好だ。

 教育長人事をめぐっては、越市長が今月21日に市議会の各会派に澤村教育長を再任しない方針を伝えた。後任については、昨年10月に自殺した市立中学2年の男子生徒へのいじめの実態を調べている市の第三者調査委員会の最終報告書を踏まえて決めたいとし、当面は市教委教育部長が代理で職務にあたると説明していた。

 さらに、越市長は26日の市議会運営委員会で、12月定例市議会での人事案提出を見送る方針を正式に報告。「教育長ポストが空白になりご迷惑をかける」と謝罪した。

 ところが、市議会は今月上旬の同委員会で、「教育長人事は重要で、十分な審議が必要。12月定例市議会の開会日に提案してほしい」と市に求めていた。

 このため、越市長の謝罪後、市議会からは「経緯の説明が足りない」「教育長の任期は以前からわかっていた。なぜ提出しないのか」などと不満が噴出。委員会が約6時間半中断するなど紛糾した。

 市議会は委員会終了後、越市長に対し、人事案を提出しないことに対する法的責任を明らかにすることや提出時期を明確にすることなどを口頭で申し入れた。

 越市長は市議会の批判を受け、「空白ができないよう最大限努力する」と市議会に回答するなど方針を転換した。越市長は取材に対し、「(教育長人事は)第三者委の調査結果や方向性を参考にする」と強調しながらも、第三者委が市教委の抱える問題点をある程度まとめた段階で、最終報告書を待たずに後任の人事案を検討することを示唆した。

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