<バルサルタン>名古屋大、恣意的なデータ操作ない
毎日新聞 2013年12月13日(金)19時45分配信
降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験疑惑で、名古屋大の公正研究委員会(委員長、藤井良一・名古屋大理事)が13日、「名古屋大では恣意(しい)的なデータ操作はなかった」とする中間報告を発表した。販売元のノバルティスファーマの社員(5月に退職)がデータ解析を担当していたが、データが適切に管理できる体制が取られていたと強調した。ただ、データを検証できたのは一部の患者についてだけで、委員会はさらに検証作業を続ける。
一方、委員会は「元社員の関与が論文に明記されていなかったのは不適切」と指摘。論文を修正して明記すべきだとした。
記者会見で石黒直樹・名大病院長は「世間から誤解を受けやすい状況を作り、お騒がせしたことをおわびします」と謝罪した。
試験は、室原豊明教授の研究チームが2004年から実施。高血圧と糖尿病の疑いのある患者1150人を対象にした。主な試験目的だった脳卒中などの予防効果は実証できなかったが、「心不全による入院がバルサルタンを服用した患者で少なかった」と結論付け、12年に発表した。
委員会は、大学病院の患者141人分について、カルテと論文に使った解析用のデータの検証を外部機関に依頼した。データの不一致は発症した病気に関して2件あったが、委員会は「論文の結論に影響はなく、問題はない」と判断した。
バルサルタンの臨床試験では、東京慈恵会医大、京都府立医大、滋賀医大でデータ操作された疑いが発覚。千葉大でも調査が続いている。【河内敏康、花岡洋二】