盗撮 学校・会社でも違反…京都府、条例改正へ

盗撮 学校・会社でも違反…京都府、条例改正へ
2014年1月25日 読売新聞

 「公共の場所」や「公共の乗り物」での迷惑行為を規制する各都道府県の迷惑防止条例(迷防条例)について、学校や会社で盗撮が判明しても公共スペースに該当しないとして違反に問えない状況を改善しようと、京都府は府条例を改正する方針を固めた。府は、学校内での盗撮を認めた教諭が逮捕に至らなかったケースがあったことなどから、改正が必要と判断した。2月議会に改正案を提出し、可決されれば全国初となる。

 京都府警によると、府内で盗撮を条例違反で検挙した数は、統計を取り始めた2006年の22件から毎年増え、12年は79件になった。12年の人口10万人当たりの検挙数は近畿2府4県で最も多く、全国でも5番目だ。

 条例の適用場所は、商業施設や駅、電車・バス内が大半で、校舎や校庭が開放されていた場合を除き、学校や会社での検挙例はない。しかし、条例のほか、教室であることから建造物侵入容疑は適用できず、最終的に、押収したパソコンから路上での盗撮画像が見つかり、府警は同11月、それについての条例違反容疑で逮捕した。

 京都府以外でも状況は同様で、大阪府警は12年11月、愛媛県警も同年9月、小学校の女子トイレの個室に隠れて撮影していた男性会社員(同)について同容疑を適用するなどしている。

 こうしたことから、京都府警と府の内部では、盗撮行為自体を罰することができないケースがあるという不都合を解消すべきだとの議論が高まり、昨夏、府内の幅広い世代の男女1663人を対象に盗撮への意識調査を実施。「いかなる場所でも迷惑」が98%で、学校や会社での盗撮規制に賛成する意見も89%に上り、反対はわずか3%だった。

 改正案では、盗撮の規制空間を現行の「公共の場所または公共の乗り物」から「公衆の目に触れるような場所」と変え、対象を拡大。学校や会社は公共スペースではないが、部外者の出入りもあるため、適用は可能とした。公衆トイレや公衆浴場も規制空間と明示し、罰則についても「6月以下の懲役または50万円以下の罰金」から「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」に引き上げる。

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