「私は共犯者」佐村河内氏のゴーストライター、新垣隆氏が謝罪
サンケイスポーツ 2014年2月6日(木)15時4分配信
広島市出身の被爆2世で、両耳が聞こえない作曲家として知られる佐村河内(さむらごうち)守氏(50)のゴーストライターを18年間務めていた桐朋学園大非常勤講師の新垣(にいがき)隆氏が6日、記者会見し「指示されるまま書き続けた私は共犯者です。彼の言葉を信じて曲を聞いてくださった皆様、演奏家の皆様、本当に申し訳ありませんでした」と謝罪した。
フィギュアスケート男子の高橋大輔がソチ五輪のSPで佐村河内氏の作曲ではないことが判明した「ヴァイオリンのためのソナチネ」を使用するが、「ショックを受けるのでは…と思ったが、偽りの曲で演技したと非難されるかもと。高橋選手には知ってもらって演技してもらうことがいい」と話し、今回のゴーストライター問題について説明することを決断したという。
「当初は軽い気持ちで曲を書くことを引き受けていた」という新垣氏。佐村河内氏が世に知られるようになるにつれ、ゴーストライターの事実が明るみに出るのではないかと「不安になった」と苦しい胸の内を明かし、「何度もやめようと言ったが、彼は聞き入れなかった。彼は『私は自殺する』とも言った」と衝撃の事実を明かした。
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聴覚障害、一度も感じなかった…新垣隆さん会見
読売新聞 2014年2月6日(木)21時10分配信
両耳の聞こえない作曲家として話題を集めていた佐村(さむら)河内(ごうち)守さん(50)が楽曲の制作を別人に依頼していた問題で、桐朋学園大(東京都調布市)非常勤講師の新垣(にいがき)隆さん(43)が6日、都内で記者会見を開き、18年間にわたって佐村河内さんに代わって曲を作っていた「ゴーストライター」だったことを明かし、「指示されるがまま曲を書き続けた私は共犯者」と謝罪した。
また、佐村河内さんの聴覚障害について、「耳が聞こえないということを感じたことは一度もなかった」と述べた。
これに対し、佐村河内さんの代理人・折本和司弁護士は「(両耳全ろうの)聴覚障害2級の障害者手帳を確認している。手話を通じて意思疎通をしたが、耳は聞こえていない印象だった」と反論している。
約1時間半にわたった会見で新垣さんは、18年間に20曲以上を作曲し、700万円前後の報酬を受け取ったことを明らかにした。
佐村河内さんとは知人の紹介で知り合い、当初は佐村河内さんが手がける映画やゲームの音楽を作る「スタッフの一員」との認識だった。佐村河内さんが聴覚障害を公表後、「問題がある」と考えるようになり、昨年7月と12月にゴーストライターをやめたいと求めたが、聞き入れられなかったという。
作曲は、佐村河内さんが、音の強弱や時間配分を示す図表や、「後世にのこる芸術的価値のみを追求!」などとイメージを指示した書面を基に行っていた。
新垣さんが録音した短いメロディーをいくつか佐村河内さんが聞いて選んだものを基に曲を仕上げることもあったといい、「録音したものを彼が聞き、それにコメントすることは何度もあった」と説明。「(佐村河内さんは)譜面を書けず、ピアノも初歩的な技術のみ」と話した。