いじめ防止条例制定へ 田辺市の中学生自殺未遂問題

いじめ防止条例制定へ 田辺市の中学生自殺未遂問題
紀伊民報 2014年2月6日(木)16時54分配信

 和歌山県田辺市の中学2年生男子生徒(14)が2012年12月に自殺を図り、寝たきりになっている問題で、真砂充敏市長は6日、市教育委員会に市長部局と連携して「いじめ防止条例」の制定に取り組むよう要請した。中村久仁生教育長は「しっかり受け止め、再発防止に全力で取り組む」と述べた。

 1月19日に市の第三者調査委員会が市長に提出した最終報告書は、自殺未遂の原因を「いじめを含む周囲との人間関係や学習面の問題など、学校生活におけるさまざまな因子が複合的に結びついた」と結論付け、再発防止の取り組みを提言している。

 要請書は、今回の事案を教訓にいじめ防止のための基本的な事項を定める条例の制定をはじめ、教委で本年度中に策定する「いじめ防止基本方針」に報告書の内容を十分配慮すること、早急な自殺防止対策を求めている。

 報告書は、学校の対応の問題点を指摘しており、要請書でも、生徒指導や保護者との連携についての検証や教育相談体制の改善、いじめや自殺を予防する授業の実施。問題が発生した場合に第三者の専門家を交えた会議、子どもの権利を扱う常設の第三者機関設置の検討を求めている。

 市長室で要請書を受け取った中村教育長は「条例制定は市長部局と十分に協議して進める。いじめ防止基本方針は早急に作成し、関係する委員会を14年度中に立ち上げたい。教委として全力で対応する」と答えた。

 真砂市長は「市長部局も報告書を熟読し、教委と連携して適切に対応したい」と話している。

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