「桃太郎」に桃子? 教室で変なこと教えないで

「桃太郎」に桃子? 教室で変なこと教えないで
産経新聞 2014年2月12日(水)15時0分配信

 学校で変なことを教えないでほしい。1月下旬の日教組の教研集会で報告されたという「桃太郎」もその一つだ。中学の文化祭で男女平等をテーマに、桃から「桃太郎」と「桃子」の男女が生まれたという劇をつくったという。鬼ケ島には桃子が行く−あきれた展開だ。桃太郎は過去に「退治される鬼の気持ちになって考えてみよう」と、「反戦平和教育」の題材にされた例もある。

 神話や昔話は、当時の人々の生活や考え方を伝える貴重な遺産だ。ところが戦後の教育で悪者扱いされてきた。いまだに授業で扱うことを「復古調」「つくり話」と批判し、教えたがらない風潮があるようだ。

 平成20年改定の学習指導要領で、小学1、2年生の国語で、昔話や神話・伝承の読み聞かせが盛り込まれ、教科書に「いなばの白うさぎ」や「ヤマタノオロチ(八岐大蛇)」などが取り上げられている。ところが教員の中には大蛇の尾から草薙(くさなぎ)の剣(つるぎ)を取り出す場面が「残酷」と保護者から文句をいわれるのをおそれ、授業で扱うのをためらう笑えない話もあるという。教員が神話が持つ意味を理解していないのだろうか。

 戦前の尋常小学校の国語教科書をみると「古事記の話」という文章が載っている。天の岩戸や天孫降臨などの話が書かれていることを分かりやすく紹介し、「古代日本人の精神をありありと読むことができる」と説明している。この昔の国語教科書には、神武天皇の東征で先導役になった八咫烏(やたがらす)の話も登場するなど、いま大人が読んでもおもしろい物語が載っていた。

 神話以外に、源氏物語についても「紫の君」が登場する一節などを取り上げ、「いかによく人間を生き生きと、美しく、細かく写し出しているかがわかるでしょう」と書いている。源氏物語は今年の大学入試センター試験で出題され国語の平均点ダウンの要因になったとか。教えるべきことをしっかり教える教育であってほしい。(沢辺隆雄)

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