賃貸料3年半取らず 京都市教委、元成徳中利用のNPO法人から
京都新聞 2014年2月15日(土)9時19分配信
京都市下京区の元成徳中の校舎を賃貸契約して利用している団体に、施設を管理する市教育委員会が利用開始から約3年半にわたり、一度も賃貸料を徴収していなかったことが14日までに分かった。未徴収の賃貸料は計約176万円に上り、光熱水費も徴収していなかった。市教委は「担当部署のミス。さかのぼって請求する」としている。
NPO法人「京都文化協会」が2010年10月から元成徳中の校舎の一部を使用。契約では、市の標準賃貸料(年96万円〜105万円)の半額を支払うことになっている。
市教委によると、賃貸料は、前年度に納入通知書を郵送して請求する。しかし、担当の教育環境整備室は京都文化協会に一度も通知書を送っていなかったという。光熱水費に関しても同様だった。
京都文化協会は「請求が来ず、何度か市教委事務局に伝えた。いつでも支払う」と説明。それに対し、市教委は「協会から問い合わせがあったかは、確認が取れていない」としている。
京都文化協会は、企業とのプロジェクトで国宝「風神雷神図屏風(びょうぶ)」など貴重な屏風やふすま絵のデジタル複製品を制作し、所蔵元に寄贈する活動をしている。複製品を使った授業を市内の小中学校でボランティアで行っている、という。
元成徳中の校舎利用に関しては、市教委が京都文化協会など2団体に賃貸料の減免をしているのは不適正な契約として、市民が住民監査請求を行っている。