尾道の中学校でいじめ 被害生徒保護者ら市教委に不信感 広島

尾道の中学校でいじめ 被害生徒保護者ら市教委に不信感 広島
産経新聞 2014年3月20日(木)7時55分配信

 尾道市立中学校で3年の男子生徒(15)がいじめを受けたとして、市教委が調査のための第三者委員会を17日に設置した。被害者の保護者らは19日会見し、委員会に保護者らが参加していないとして、「被害者に寄り添った対応でない」と市教委を批判した。

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 保護者らによると、男子生徒は入学直後から同級生5、6人から「学校にくるな」などの暴言や暴力を受け、打撲や眼球損傷などのけがをし、昨年4月にはストレス性疾患を発症。同8月には逃げようとしたところ校舎の上から鞄を投げられ、助けに来た祖母(75)の車も蹴られた。男子生徒は2学期から不登校になった。今後は市外の高校に進むが、現在も胸の痛みなどを訴えているという。

 保護者らは昨年12月、大津市のいじめ自殺で息子を失った父親(48)の支援で、尾道市教委に、保護者らを加えて第三者委員会を設けるよう要望したが、連絡はなく委員会が発足したと主張。「被害者と合意する手順を踏んでおらず、一方的に作られた委員会は公平、公正ではない」と市教委に不信感を表した。

 これに対し、市教委は「いじめは1年生の時から報告を受けていた。事案ごとに解決していたと認識しており、日常的ないじめでなかった」との見解を示した。学校側からいじめや暴力について平成23年から3件の報告を受け、警察対応したものや加害者への注意喚起、授業を別室で受けさせるなど指導していたほか、被害生徒の心のケアにも努めていたという。

 第三者委員会の設置については、「(保護者側の)訴えの中身と調査内容に相違があったため、事実調査が必要と判断した」と説明。人選は国の方針に基づいているとして、「現段階で中立、公平性は担保できている」としている。

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