東京医科大病院、患者情報USBメモリ紛失−再発防止で職員教育強化
医療介護CBニュース 2014年5月1日(木)13時1分配信
東京医科大病院は、患者の個人情報が入ったUSBメモリを紛失したと発表した。USBメモリには脳神経外科手術の診療情報が記録されており、パスワードの設定やデータの暗号化がなされていなかった。同病院は個人情報保護委員会を開き、職員の教育・指導の強化や再発防止策について協議するという。【新井哉】
同病院によると、学会出張中の職員が4月18日に脳神経外科手術33例の患者IDや氏名、手術日、腫瘍の大きさなどのデータが記録されていたUSBメモリを紛失。警察に届け出るとともに、関東信越厚生局と東京都に報告した。今のところ個人情報の流出や第三者による不正使用は確認されていないという。
同病院は2006年に個人情報保護法への対応のためのガイドラインを制定し、個人情報の院外への持ち出し禁止や暗号化などを徹底するよう指導してきたほか、昨年6月に「個人情報管理室」を設置し、セキュリティ対策や個人情報保護の重要性などを伝えてきた。
ハード・ソフト両面での漏えい防止体制を整えてきたにもかかわらず、職員が私物のUSBメモリを使って診療情報が院外に持ち出されたことについて、同病院は「極めて遺憾。このような事態を招き、深くおわび申し上げます」と陳謝。各部署でのUSBメモリの管理について具体的な検討を指示したという。
今後、病院長が委員長を務める個人情報保護委員会を開催し、ガイドラインの順守や個人情報保護の徹底などについて話し合い、あらためて教職員の教育・指導を徹底する方針。