<北海道大>預け金不正総額5億円超 関与教員59人に
毎日新聞 2014年7月16日 9時6分配信
使い残した公的研究費を業者に管理させて翌年度以降に回す「預け金」などの不正経理問題で、北海道大調査委員会(委員長・新田孝彦副学長)は15日、新たに約5100万円の不正経理が判明し、これまでの公表分と合わせた不正総額は約5億3500万円に上るとの最終報告書をまとめた。
北大は、新たに分かった不正に関与した15人のうち、現職の教員13人を停職などの処分にした。関与した教員は退職・転出者も含め計59人になった。山口佳三学長ら理事8人は監督責任があったとして7月分の給与の10分の1を自主返納する。流用分は教員らに返還を求める。
今回の調査は2004〜06年度分と退職・転出者が対象。その結果、教授ら13人が物品購入を装い、実際には購入額に相当する研究費を業者に預けていたり、使用目的以外に使ったりする不適切な経理処理をしていたことが分かった。退職・転出した2人も同様の不正経理をしていた。
研究費を車のタイヤ購入費などに私的流用したとして、元教授(60)が詐欺容疑で道警に刑事告訴されているが、調査委は今回の15人に私的流用はなかったとしている。
処分内容は停職1カ月4人▽出勤停止10日4人▽戒告2人▽訓告3人−−で、退職・転出した2人は処分対象外。記者会見した山口学長は「再発防止に全力で取り組み、信頼回復に尽くしたい」と陳謝した。【千々部一好】