九大アカハラ訴訟 准教授側の賠償請求棄却
読売新聞 2014年09月11日
九州大(福岡市)がハラスメントの被害申し立てを約2年半にわたって不当に放置し、精神的苦痛を受けたとして、同大の男性准教授と妻の同大学生(ともに30歳代)が大学側に計60万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福岡地裁(坂本智裁判官)は10日、准教授側の請求を棄却した。
判決によると、2人は2010年4月〜12年7月、同大のハラスメント対策委員会に対し、准教授の上司の男性教授から「大学の先生と結婚したんだから研究しなくていい」と中傷されたなどと、計15回申し立てた。同大は12年10月、ハラスメント行為は確認できなかったと2人に通知した。
坂本裁判官は、2人への聴取が、申し立てから約5〜8か月後に行われたことなどを「不適切」とし、通知までの期間も他大学より長期だったと指摘した。ただ、「調査事項が膨大で、被害の判断に慎重になることもやむを得ず、通知までに長期間を要したことが違法とは言えない」と判断した。