橋下市長、体罰事件のバスケ部顧問を批判「感覚相当ズレている」
スポーツ報知 2015年2月10日 15時12分配信
大阪市立桜宮高校のバスケットボール部の体罰事件で傷害罪などに問われ、有罪が確定した男性元教諭(49)が、同市立天満中学校(大阪市北区)のバスケ部を指導していた問題で、橋下徹大阪市長(45)は10日、大阪市役所で報道陣の取材に応じた。
「(元教諭は)まだ執行猶予の身で、(両親が市に損害賠償を求めた)民事訴訟は係争中。その教諭を指導にあたらせるとなれば相当な理由が必要で、一教諭が判断することではない」と述べ、元教諭を招へいした同中バスケ部の男性顧問(29)の対応を批判した。
橋下市長は「体罰を犯した元教諭を、学校現場に入れることが問題だという認識が、天満中学の教員になかったのは残念。さらに校長、教頭になんの相談もなく進めてしまう感覚は相当ズレている」と指摘。「校長が判断する、場合によっては教育委員会と協議する、そういうプロセスがあってしかるべきだ」とし、「学校現場には、校長、教頭が上司だという感覚がない。教育委員会も(市立学校)500校をすべて見るなんて不可能だ」と、教育委員会制度自体にも疑問を投げかけた。
桜宮高校バスケ部では2012年12月、当時主将を務めていた2年生の男子生徒(当時17歳)が、元教諭から体罰を受けたとの手紙を残して首つり自殺。元教諭は傷害と暴行の罪に問われ、大阪地裁で懲役1年、執行猶予3年の判決を受けた。
橋下市長はこの日あらためて「体罰で自殺に至ったのは間違いない」と指摘。一方で「重大な過ちだったとしても(社会復帰を)全く許さないような社会にはしたくない。もしかしたら、また現場で指導にあたってもらうこともあり得るのかもしれないが、まだ民事訴訟が係争中。ちょっと時期が早すぎる」と語った。