中2いじめ自殺で和解勧告 大津市の責任認める
京都新聞 2015年2月28日(土)12時9分配信
大津市でいじめを受けていた市立中学2年の男子生徒=当時(13)=が2011年10月に自殺し、遺族が同級生らに計約7700万円の損害賠償を求めている訴訟で、大津地裁(山本善彦裁判長)が市と遺族側に和解を勧告していることが28日、市への取材で分かった。いじめの事実を把握しながら自殺を防げなかった市側の責任を認め、遺族に謝罪する内容とみられる。市は勧告を受け入れる方針で、市議会最終日の3月13日にも議会承認を得るための議案を提出する。今後、遺族側の対応次第で和解が成立する可能性がある。
市によると、勧告は2月18日。地裁は、教諭が男子生徒に対する同級生の暴行を目撃していることなどから市側の賠償責任を認めたという。市教委は当初、いじめの事実は認めながら、自殺との因果関係は判断できないとして原因解明に向けた調査を打ち切っていた。このため、和解条項には市が遺族に謝罪することも含まれているという。
遺族は12年2月、校内でのいじめが自殺の原因として、大津市と、いじめたとされる同級生らを相手取り、計約7700万円の損害賠償を求める訴訟を大津地裁に起こした。市側は13年2月の口頭弁論で、自殺といじめの因果関係を認定した第三者調査委員会の報告書を資料として提出し、大津地裁に和解を申し入れた。遺族側は和解協議に応じるかも含めて検討するとしていた。
同級生側は、男子生徒に対する加害行為98項目について認否を行っているが、遺族側代理人によると明確にいじめと認める内容はないという。
市は同日、「市として損害賠償責任を認め、早期の和解解決を求めてきた。勧告を前向きに検討したい」とのコメントを出した。