<青森・高2自殺>いじめ対応で学校批判…第三者機関

<青森・高2自殺>いじめ対応で学校批判…第三者機関
毎日新聞 2015年3月3日(火)23時44分配信

 青森県立八戸北高(八戸市)2年の女子生徒が昨年7月に自殺したとされる問題で3日、いじめと自殺との因果関係を認めた知事部局の第三者機関・県青少年健全育成審議会の「いじめ調査部会」は、学校側のいじめへの「感度の低さ」も批判した。親から相談を受けた際、教職員は「クラスはとてもよい雰囲気でまとまっている」と考え、いじめがあるとの認識に至らなかったという。

 県教委が設置した第三者機関は昨年12月、「自殺はいじめにより直接的に引き起こされたものではない」と報告していたが、同部会は「いじめと自殺の間には、一定の因果関係があったと推察する」とし、県教委側の報告を覆した。

 同部会によると、女子生徒の親は、1年生の時、「嫌がらせ」という言葉を使って学校に相談した。だが、教職員らは「友人とのトラブル」としていじめとは認識しなかった。学校側は、相手の生徒とは違うクラスになるようクラス替えをする対応をした。この点についても部会は「信頼できる友人と同じクラスするなど、踏み込んだ対応が必要だった」との認識を示した。

 部会は「無料通信アプリ『LINE(ライン)』で悪口を言われていた」など女子生徒が受けていたと認定したいじめの態様について、「すべての学校で日常的に起こりえる」とも指摘。いじめに関する認識を教職員が深める必要があると警鐘を鳴らした。

 ただ、3日に記者会見した女子生徒の父親は「一歩、二歩前進だが、いじめが全ての原因だと訴えてきたので大変残念。いじめと死亡を結び付けることが被害者の立場に立つこと」と部会の報告書への不満を表した。【宮城裕也】

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