生徒の次は部下にセクハラ…「愛人1号」「2号」に通報され停職1年

生徒の次は部下にセクハラ…「愛人1号」「2号」に通報され停職1年
産経新聞 2015年4月7日 18時35分配信

 女性部下2人を「愛人1号」「愛人2号」と呼び、体に触れるなどのセクハラを繰り返したとして、秋田県埋蔵文化財センター中央調査班(秋田市新屋栗田町)の50代前半の男性学芸主事が停職1年の懲戒処分を受けた。学芸主事は中学教員出身で、女子生徒にキスを迫るなどして停職3カ月の処分を受け、学校現場から外されていた。今回セクハラを受けた部下は当初、不快感を覚えていなかったというが…。

■ミスした女子生徒にキス迫る

 県教委によると、セクハラは学芸主事が南秋田郡内の公立中教諭としてバレーボール部顧問を務めていた平成13〜14年に遡る。

 13年4月、合同練習でミスをした女子生徒を廊下に呼び出し、謝罪の意味で自分の顔にキスするよう求めた。「ミス」と「キス」をかけたつもりか…。生徒はキスを拒んだ。

 さらに無人の用具室に連れて行き、両肩をつかみ「一生懸命プレーする君が好きだ」などと発言。自宅に電話し、「センスのあるプレーをしている君が好きだ」とも告げた。

 11月には進路指導を理由に教室に呼び出し、両頬をつまんだ。翌年2月には下校途中のこの生徒を車で追いかけ、本をプレゼントした。

 他の女子生徒に対しては、中身の入ったペットボトルでたたいたり、蹴ったり、暴言を吐いたという。

 3年後の17年2月になって、キスを迫られた女子生徒が母親に「ほかの生徒に自分と同じ思いをさせたくない」と打ち明け、母親が県教委に連絡。3月に停職3カ月の懲戒処分が決まった。このときは山本郡内の中学校に在籍していた。

■遺跡の専門家として再起も…

 停職が明けた同年6月、埋蔵文化財センター学芸主事に異動。県教委は「二度と教壇に立たせない」と通告したという。だが、教員が学芸主事になるのは通常の人事で、あながち左遷とも言えない。

 学芸主事は名誉挽回しようと仕事に打ち込み、大量の中国貨幣が出土した遺跡の埋蔵文化財発掘調査報告書をまとめるなどし、遺跡の専門家として識見が評価されていた。新聞記事やテレビのニュースに登場したこともある。

 ところが、今度は部下へのセクハラで停職1年という、懲戒免職に次ぐ処分を受けた。

 3月26日の県教委の発表では、学芸主事は「秋田市内の教育機関に勤務する50歳代の男性職員」とされ、所属や肩書は伏せられた。だが、(1)13年度の南秋田郡の中学校の職員名簿(2)16年度の山本郡の中学校の職員名簿(3)26年度の秋田市内の教育機関の職員名簿−を照らし合わせれば簡単に判明し、隠す意味はなかった。

 県教委によると、学芸主事は1月下旬から2月下旬にかけて、いずれも30代の女性非常勤職員2人にセクハラ行為を行った。2人は出土品の整理などを担当しているとみられる。記者会見した島崎正実教育次長(4月1日付で地方創生監に異動)はセクハラの具体的内容を次のように説明した。

 「手を握る、肩をもむ、頬をつつく、二の腕をツンツンするという身体的接触のほか、他の職員のいる前で2人に『愛人1号』『愛人2号』といった呼びかけをすることもありました。並んで仕事をする際には、足で相手の足を触れることもありました」

■強い言葉で指導され感情悪化

 もちろん愛人関係にあったわけではない。学芸主事のこのような行為は昨年12月から始まり、非常勤職員2人は当初、悪ふざけとしてある程度許容していたという。

 ところが、1月下旬から2人は不快に思うようになった。そのころ、学芸主事が2人に作業を教える際に強い言葉を使ったことがあり、それ以来、学芸主事に対する2人の感情が悪化したのだ。

 学芸主事の“前歴”は職場の皆が知っており、被害女性の1人は「そういうことをやっていると今度はレッドカードですよ」と通告。男性同僚も注意したが、学芸主事はやめなかったという。2人はついに管理職にセクハラ被害を訴えた。

 「恋愛破綻型セクハラ」という分類があるが、「上司・部下関係破綻型セクハラ」というべき結果となり、学芸主事にとっては不覚だったに違いない。だが、「愛人1号」「2号」などという呼びかけは、女性の受け止め方にかかわらず、職場、特に教育機関で不適切なのは言うまでもない。

■14年前の被害女子生徒は今…

 学芸主事は県教委に対し「大変申し訳ない」と反省の弁を述べ、2人にも謝罪。2度目の処分となったことについて「信用を落とし情けなく思っています。前回の処分の後、今の職場に復帰させてもらったのに、こういうことになり、ただただ申し訳ありませ

ん」と話したという。

 顛末書には「もし被害を受けた女性から強く求められれば、辞めることも考えなければいけません」という趣旨の言葉があるというが、2人は退職までは要求しておらず、1年後に復帰するとみられる。

 そもそも、学芸主事は14年前の女子生徒へのセクハラを真剣に反省していたのだろうか。

 今回の処分報道を受け、当時の同僚で、被害生徒の担任でもあった男性教諭がフェイスブックに「この人…懲りてないですね」「民間だったらとっくにクビだわさ」と感想を書いた。

 そして、被害生徒の近況をこう紹介している。

 「この女子生徒…今は私の勤務先でとあるチームの外部コーチをしています。今じゃ立派なママになっているけれど、このニュースを見たらどう思うのかな?」(渡辺浩)

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