夙川学院、元理事長ら提訴 資産運用失敗10億円賠償請求 兵庫

夙川学院、元理事長ら提訴 資産運用失敗10億円賠償請求 兵庫
神戸新聞NEXT 2014年11月6日 7時31分配信

 リスクの高い金融商品による資産運用の失敗などで経営を悪化させたとして、神戸夙川学院大・夙川学院短大(神戸市中央区)、同中学・高校(西宮市)などを運営する学校法人夙川学院(同)が、元理事長と元理事を相手に総額10億円の損害賠償請求を神戸地裁尼崎支部に起こしていたことが5日、分かった。(石川 翠)

 訴状などによると、元理事長は同学院の理事長だった2004年〜08年、証券会社3社とリスクの高い「デリバティブ(金融派生商品)」の取引を行い、08年のリーマン・ショックなどで多額の損失を出した、とされる。

 原告側によると、元理事長は理事会に報告することなく取引を決定。元理事も取引の実態を知っていたのに、説明を求めたり、注意したりすることを怠り、「損害額は約33億5600万円に上る」と主張している。

 原告側代理人によると、同学院は昨年、証券会社2社に対し、総額約19億円の支払いを求める訴訟を起こし、現在、東京地裁で係争中。

 夙川学院は、資産運用の失敗で資金繰りが急速に悪化。11年には同窓会名義の預金から約1億6千万円の無断流用が発覚したほか、短大の教職員らの給与や賞与の未払いなど次々と経営問題が明るみに出た。

 法人は経営陣を刷新し、職員の給与カットや中高のグラウンドの一部など所有地の売却に踏み切った。14年4月には、定員割れなどを理由に、神戸夙川学院大の新入生募集を15年度から停止することを公表した。

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