東北大前総長宛て寄付金9300万円を移管
河北新報 5月20日(水)9時45分配信
東北大前総長で現在は城西国際大(千葉県東金市)に在籍する井上明久氏宛て寄付金約9300万円の移管手続きが2年以上放置されていた問題で、全額が今月8日、東北大から城西国際大へ移管されたことが19日、分かった。
東北大当局によると、4月下旬に城西国際大から要請があり、振り込んだ。
これに先立って東北大名誉教授のグループが、寄付金移管は内規に違反する疑いがあるとして大学に監査請求していた。
監査請求書では「内規では寄付金の移管は研究担当職員でなければ申し出ることができない」と指摘。「総長特別顧問は非研究職」として寄付金移管決定の撤回を求めていた。東北大の谷口善孝広報課長は「総長特別顧問は研究や教育について必要に応じて総長に助言する役割。研究を禁じているわけではないので研究担当職員」と説明。内規違反はないとしている。
井上氏は2013年3月まで東北大総長特別顧問。退任直前に里見進東北大総長が城西国際大への寄付金移管を決めた後も大半が未処理となっていた。