「子連れ狼」の小池一夫氏が“背任”で刑事告訴されていた!(週刊朝日 2011年10月28日)

「子連れ狼」の小池一夫氏が“背任”で刑事告訴されていた!
週刊朝日 2011年10月28日

 不朽の名作『子連れ狼』の原作者・小池一夫氏(75)が窮地に立たされている。自身の作品の著作権を「不当に譲渡した」として、刑事告訴されていたのだ。いったい何があったのか。
 告訴したMANGA RAK(M社)の金田直己社長がコトの経緯を話す。
「2007年3月、突然、小池氏本人から『すべての著作権譲渡を含む後継者になってほしい』と懇願されたので、彼のこれまでの著作と今後製作する著作物の独占的利用権を数億円で取得しました。そして、小池氏を役員に入れて『小池一夫劇画村塾』(M社の前身)を設立し、小池氏のシナリオと優れた漫画家による多くの作品を世に広める活動をしようとしました。ところが、同年末から『子連れ狼』をハリウッドで映画化する準備を始めたところ、小池氏は知人のA氏と共謀して『映画化権は自分たちにある』と主張し、映画製作を妨害したのです」
 複数の関係者の話を総合すると、映画化の話は07年11月ごろから開始され、米国のプロデューサー、漫画家の故・小島剛夕(ごうせき)氏の著作権管理者なども交えて何度も交渉が重ねられた。
 08年7月には小池氏も同席して「映画化権もM社にあること」が再確認された。同年12月には覚書が交わされ、いよいよ軌道に乗りそうなころ、突然、小池氏とA氏が米国の法律事務所を通して、プロデューサーに「契約の無効」を言い渡してきたのだという。
「この直前、小池氏から弊社へ『契約解除通知』が届きました。契約を無効にして、映画化権を独占しようとしたのだろうが、お金で取り戻すわけでもなく、話し合いもないまま一方的に通知だけで済ますなど非常識です。プロデューサーは当社の権利を確認したのですが、トラブルになるのを嫌って、映画化は09年春に頓挫してしまいました。小池氏は当社の役員でありながら会社に損害を与える行為は看過できず、09年12月に特別背任などで刑事告訴しました。警察にも受理されています」(金田氏)
 この状況を改善したかったのか、小池氏は再び金田氏に歩み寄り、10年1月には契約が有効であることを文書で確認。関係を、“修復”していた。
 ところが、今年になり、小池氏がまた独断で映画化を画策していたことが判明したという。
「今年の夏、前回とは異なるハリウッド関係者と小池氏が『子連れ狼』の映画化に関する契約を結んでしまたのです。小池氏はすでに契約料を受け取ったようです。小池氏に問いただすと『していない』と否定しましたが、今年9月、また一方的に弊社との『契約解除通知』が送られてきた。小池氏とは数十年の付き合いなので、告訴の取り下げも考えていたが、何回もハリウッド関係者や漫画家などに多大な迷惑をかけていること、世界に冠たる日本の漫画・アニメ文化の著作権は正当な契約で勧めることを国内外に示すためにも、引き続き警察に捜査を依頼するつもりです」(同)
 こうした小池氏の振る舞いには、小島氏の著作権管理をする出版関係者も憤る。
「07年にはパチンコ機器メーカーにも『子連れ狼』含め4作品の著作権を勝手に売り、約1億7千万円を受け取ったと聞いている。本来は漫画家へも50%が支払われるべきで、『子連れ狼』で受け取った4千万の半額を小島氏の親族へ渡すよう申し入れているが、無視されている。もちろん、今夏の映画化の話などは一切聞いていません」
 これらに対して、小池氏は文書で回答した。
「映画に関しては過去のことであり、相手があることなので事実と異なる点も含めてコメントしません(パチンコに関しても同様の回答)。小島先生とのご遺族との間でトラブルはない。現在、M社とは何の契約関係も存在せず、同社には何の使用権もありません」
 ともあれ、契約は大五郎にも関わる話なだけに“チャーン”としてもらいたいものだ。
(本誌・作田裕史)

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