県立高初のいじめ重大事態で第三者委初会合 不適切な対応に懸念の声も(佐賀)

県立高初のいじめ重大事態で第三者委初会合 不適切な対応に懸念の声も
佐賀新聞 2016年1月28日(木)11時25分配信

 法律で規定されるいじめ重大事態の発生を受け、佐賀県教育委員会は27日、外部有識者による第三者調査委員会の初会合を開いた。県立校で初めてとなる重大事態への調査審議に加え、県教委が重大事態を把握していながら法律で定められた第三者委を開催せず、知事への報告義務も怠った不適切な対応についても議論した。委員からは県教委の対応について懸念の声も上がった。

 2011年の大津市の中2男子自殺を受けて13年に成立した「いじめ防止対策推進法」は、いじめにより30日以上の長期欠席を余儀なくされたケースを「重大事態」とし、速やかな第三者委の開催を求めている。今回、県教委は昨年夏に県立校でいじめが発生し、学校と連携して対応していたのに、欠席が30日を過ぎた10月以降も第三者委を開催しなかった。

 3カ月遅れで開かれた県いじめ問題対策委員会(8人、委員長・高尾兼利西九州大教授)の冒頭、中島武子副教育長は「今回の不適切な対応を重く受け止め、深く反省している。重大事態への対応と合わせて慎重に審議、検証してほしい」と陳謝した。

 第三者委は非公開で、終了後に対応した県教委によると、委員から「(県教委の不適切な対応により)いじめ事案への悪い影響が出たのではないか」などの意見が出たという。いじめ事案そのものへの説明や質問に時間が割かれ、調査方法や結果の答申時期については決まらなかった。

 また、県教委はこれまで不適切な対応の原因について「関係職員の認識不足」とあいまいな説明をしてきたが、中島副教育長は記者団に「いじめが原因と『疑われる』重大事態であっても法に基づき対応すべきだった。その部分の認識がなかった」と釈明した。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする