三重の高校、通信制50人受講実態なし 不正受給目的か
朝日新聞 2015年12月24日05時07分
株式会社立ウィッツ青山学園高校(三重県伊賀市)が就学支援金を不正に受給していた疑いがある事件で、問題の生徒が所属する通信制サポート校の生徒のうち、約50人の受講実態がなかったことが学校関係者への取材で分かった。就学支援金を不正に受給する目的で入学させた疑いがあり、東京地検特捜部が実態を調べている。
この通信制課程のサポート校は「四谷LETSキャンパス」(東京都千代田区)。問題発覚後、キャンパス側が生徒約140人を調べたところ、高校を卒業していて受給資格がない5人について、就学支援金を申請していたことが判明。さらに、この5人を含む約50人が、課題の提出をしなかったり学習指導を受けていなかったりしたという。
関係者によると、同キャンパスでは今年春ごろまでは生徒数が70人前後だったが、秋ごろに約140人に倍増した。増えた生徒のほとんどは高齢者で、同キャンパスが企画する温泉旅行や体操教室への参加を口実に誘っていたという。
こうした高齢者への勧誘は同キャンパスの経営者らが中心となっていたとみられる。経営者らは月1回、勧誘担当者を集めて「代理店会議」と称する会議を開いて相談。「(就学支援金の受給額が多くなる)年収350万円未満の人を勧誘しよう」「奨学金は返さなくていい。卒業は保証すると誘おう」などと申し合わせていたという。会議に参加した男性は「就学意欲がない人でも構わないから、生徒を増やそうという意図は明らかだった」と証言する。
ウィッツ青山学園高校は2005年に開校。生徒は2月現在、全日制28人、通信制1158人にのぼる。通信制の生徒は全国に約50あるキャンパスに所属して学習指導を受けている。各キャンパスは独立して経営されており、生徒の募集はそれぞれ行われていた。
しかし問題発覚を受け、学校を運営する株式会社の親会社である東理ホールディングス(東京都中央区)は、四谷など数カ所のキャンパスを廃止する方針を明らかにした。受講実態のない生徒は退学し、残る生徒は他のキャンパスに移籍してもらうという。また株式会社では運営が困難だと判断し、学校法人化することを決めている。