<相模原中2自殺>いじめ原因、断定できず…第三者調査委
毎日新聞 2016年3月29日(火)20時58分配信
相模原市で2013年11月に市立中2年の男子生徒が自宅で自殺を図って死亡し、同市教委が設けた第三者調査委員会(竹下昌之委員長)は29日、学校の部活動などでいじめがあったと認定する調査結果を発表した。ただ、いじめとみられるトラブルが集中していたのは2年生の4月までで、その後退部しており、「いじめだけが自殺の原因とは断定できない」としている。
調査によると生徒は小学校時代に発達障害と診断された。中学校は保護者から「言わないでほしい」と頼まれ、他の生徒に障害を知らせていなかった。中1の2学期から学級で生徒とトラブルが増え、3学期には部活動でもトラブルが続発。学校はけんかとみていた。
第三者委は「トラブルが続き、心の苦痛が累積した場合はいじめになる」として、10件のトラブルのうち8件をいじめと認定。自殺につながる可能性のあるサインを出していたのに教員のいじめの認識が希薄だったとし、「心の苦痛の累積に留意が不十分だった」と指摘した。
生徒は自宅で自殺を図り、10日後に病院で亡くなった。学校は保護者の意向で生徒たちに「病死」と説明。保護者は昨年1月、経緯の究明を求め、いじめ防止対策推進法に基づく第三者委の設置を同市教委に要請し、教育専門家や弁護士、医師ら4人が調べていた。【高橋和夫】