いじめ認定も大半黒塗り 秋田・能代松陽高問題の調査報告書
産経新聞 2016年7月14日(木)19時56分配信
秋田県立能代松陽高(能代市)に通っていた女子生徒(17)がいじめを受けたと訴えて不登校になり、転校した問題で、県教委は14日の教育委員会会議で、第三者調査機関「県いじめ問題調査委員会」(委員長・高橋重剛弁護士)の報告書を公表した。いじめと認定したが、被害生徒と加害生徒に配慮するとして、核心部分など大半が黒塗りだった。
被害生徒は1年だった平成26年6月から、所属する部の部員たちから「死ね」「消えろ」などの暴言を浴びせられ、2年になった昨年4月からはクラスの女子同級生からも悪い噂を流されるなどし、居場所がなくなったと訴えている。3年になった今春、別の県立高に転校を余儀なくされた。
報告書は6月22日に提出されていたが、県教委は3週間余り明らかにしていなかった。教育委員や傍聴者に配布された報告書概要は「いじめ防止対策推進法が定めるいじめがあったと認定することが適当」とした上で、学校側の対応を批判。だが、報告書本体は本来31ページなのに10ページ分しか公表されず、そのうち約4分の1が黒塗りにされており、どんないじめがあったのかなどは伏せられている。
米田進教育長は産経新聞の取材に対し「被害生徒も加害者とされた生徒もまだ高3なので」と説明したが、被害生徒の保護者は「事実関係を伏せたら調査報告ではない」と反発している。