大分大アカハラ自殺、元講師の“指導”、深夜にも
大分合同新聞 2016年12月28日
「内容は否定的で厳しい表現が多数回あった。深夜にも及んでいた」―。大学で記者会見に応じた第三者委員会は、無料通信アプリ「LINE(ライン)」などを通じ、自殺した学生が追い込まれる姿を明らかにした。少なくとも半年以上、アカハラは続いたとの認識を示した。
三者委によると、元講師の否定的な表現が確認されるようになったのは、学生がゼミに所属し3カ月ほどたった2014年7月から。8月には「まず、いいかげん、○○ゼミと書くのはやめてください」と詰問調になり、9月末には「私の我慢は限界なので自分たちで処理してください」と感情的と取れる表現もあった。
学生は11月中旬から「最近の僕は責任がなさすぎる」と、ひたすら謝罪する内容の書き込みをするようになった。三者委は「この時点で精神的な病に陥っていたと考えられる。それほど追い込まれていた」と判断した。学生は12月と自殺する直前の15年2月に遺書を作成し、いずれもゼミ関係者は葬儀に呼ばないでほしいと記載していたという。
報告書は再発防止策についても言及し、「学生に対する教育であることを中心に据えた教育プログラムの再構築が必要」などと強調した。
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大学生の自殺は講師のアカハラが原因 第三者委が報告書
NHK 2016年12月27日 20時48分
去年、大分大学の男子学生が自殺したことについて、大学の第三者委員会は、講師のいわゆる「アカデミックハラスメント」が原因だったとする報告書をまとめました。
去年2月、大分大学の20代の男子学生が自殺し、大学はゼミの講師が人格否定とも受け取れる発言や叱責をしたとして、いわゆる「アカデミックハラスメント」にあたるとしたうえで、弁護士などで作る第三者委員会を設けて、詳しい調査を進めていました。
これについて、第三者委員会は、男子学生の遺書の内容などから、講師の「アカデミックハラスメント」が自殺の原因だったとする報告書をまとめ公表しました。
報告書によりますと、この講師については、自殺した男子学生など複数の学生が、「指導が厳しく、学生との関係がうまくいっていない」と、ゼミの准教授に伝えていましたが、大学は十分な対応を取らなかったということです。
第三者委員会の委員長の麻生昭一弁護士は「本人から申し出があったにもかかわらず、大学は学生が助かるチャンスをむだにした印象だ。大学がハラスメントに迅速に対応するシステム作りが必要だ」と話しています。
また、大分大学の北野正剛学長は「学生の自殺については痛恨の極みです。報告を重く受け止め、処分を速やかに進めるとともに、二度と同様の事態を招くことのないよう再発防止に万全を期したい」としています。