女児死亡プール事故で賠償 学校側の過失認め 宮崎県と延岡市に5千万円
産経新聞 2017.3.29 17:03
宮崎県延岡市で平成22年、市立小4年の女児が校外学習として実施した遊泳の際にプールで溺れ、その後、死亡した事故で、両親が市と県に約8500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、宮崎地裁延岡支部は29日、学校側の過失を認め、計約5千万円の支払いを命じた。
判決で塚原聡裁判長は「教諭らは児童の点呼を取らず、女児は約5分もの間、溺れたまま流されていた」とし、教諭らの監督態勢は非常に不十分だったと認定した。 さらに両親側が事故状況に関する報告書の提出を再三求めたにもかかわらず、学校側は不適切な対応を取ったと指摘。「最愛の娘を失った両親の精神的苦痛は甚大だ」と述べた。
判決によると、事故は22年5月、同市にある健康施設の流水プールで発生。溺れて流されている女児を施設の監視員が見つけ、引き上げたが、既に心肺停止の状態だった。女児はそのまま意識が戻らず、13年10月に死亡した。
判決後に記者会見した父親は「学校と教諭から納得できる説明や謝罪がなく、誠意が感じられない。娘が生きていたら高校生だと思うと毎日がつらい」と心境を語った。 首藤正治市長は「判決を真摯に受け止め、二度とこのような事故を起こさないよう、児童生徒の安全管理を徹底していく」とコメントした。