<埼玉・高2女子自殺>「いじめが影響」 第三者審が報告書

<埼玉・高2女子自殺>「いじめが影響」 第三者審が報告書
毎日新聞 2018/5/14(月) 19:41配信

 昨年4月、埼玉県立高2年の女子生徒(当時16歳)が自宅で自殺しているのが見つかり、県教委の第三者審議会は14日、交際相手の男子生徒らがツイッターで女子生徒を追い詰めるような書き込みをしたことなどをいじめと認定し、「いじめをきっかけに自殺を考えるような精神状態に至った」とする報告書をまとめた。ただ、自殺の明確な理由については確認できなかったとしている。

 報告書によると、女子生徒は昨年4月14日、自宅で首をつり自殺した。1年生だった16年9月ごろから同校3年の男子生徒と交際を始めたが別れたいと思うようになり、昨年2月ごろ、普段使っていたツイッターのアカウントとは別に限られた友人数人しか閲覧できない非公開アカウントを作り、男子生徒への不満や私生活に関する書き込みを始めた。

 その後、男子生徒が非公開アカウントの書き込みを発見。裏切られたと感じた男子生徒は昨年3月下旬、自分の妹を使って女子生徒を追い詰めるような書き込みをしたり、女子生徒が非公開アカウントに記した私生活の内容をツイッターで暴露したりした。ショックを受けた女子生徒は周囲の視線を気にして家から出られなくなり、食事も満足に取れず約2週間後に自殺した。

 報告書は一連の書き込みをいじめと認定。自殺の明確な理由は特定できなかったが、女子生徒が亡くなる前日、死について考えているとするメモをスマートフォンに残していたことなどから、いじめを機に自殺を考えるような精神状態に至ったと結論付けた。

 学校の対応については、死亡する約半月前に女子生徒と保護者から相談を受けた際、女子生徒がいじめを否定したため「それ以上の対応は難しかった」としたが、いじめは本人が否定する場合があることも踏まえ、きめ細かな観察が必要だったと指摘した。

 女子生徒の父親(47)は毎日新聞の取材に「報告書がいじめを認めたことはよかったが、自殺との関係をもっとはっきり書いてほしかった。ツイッターの書き込みで娘の不安がここまで大きくなるとは自分も思わなかった」と話した。【内田幸一、中川友希】

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