勾留却下の元教諭を在宅起訴 京都地検、覚せい剤事件で
京都新聞 2018/6/28(木) 7:00配信
京都地検は27日、覚せい剤取締法違反(使用)の罪で、高知県室戸市の元小学校教諭の男性(36)=懲戒免職=を在宅起訴した。男性を巡っては、京都簡裁(上垣猛裁判官)が先月下旬、「むやみに他府県で捜査権の行使はできない」として京都府警による逮捕の違法性を指摘し、男性の勾留を認めない決定をしていた。
男性は5月24日、同法違反(営利目的所持)容疑で府警が逮捕した密売人の男の関係先として、自宅の捜索を受けた。この時、任意で尿検査を受け、陽性反応が出たことから緊急逮捕された。
地検は男性の勾留請求を簡裁に行ったが、簡裁は警察法を根拠に「警察は都道府県単位で、捜査権行使の範囲が限定されている」と指摘。男性の事件は高知県警が捜査すべきだとし、京都府警による逮捕は違法として勾留請求を却下した。地検は準抗告を行わず、任意で捜査を続けていた。
起訴状によると、男性は5月19日ごろ、高知県室戸市で覚せい剤を使用したとしている。
京都府警組織犯罪対策3課などは24日、高知県安田町立安田小学校教諭、市川唯容疑者(36)=同県室戸市佐喜浜町=を覚せい剤取締法違反(使用)容疑で緊急逮捕した。「確かに使った」と容疑を認めているという。
逮捕容疑は、今月中旬以降、同県内または周辺で覚醒剤を使用したとしている。府警によると、薬物捜査で市川容疑者が浮上し、24日朝に自宅を捜索。尿検査で陽性反応が出た。
県教委などによると、市川容疑者は昨年4月に採用され、今年度は6年生の担任だった。安田小の樋口隆徳校長は「学習指導の態度はとても良く、驚いている。大変遺憾で責任を感じている」と話した。【飼手勇介】