<宮城・高1自殺>父親「担任罵声」 校長「指導の範囲内」
毎日新聞 2018/10/31(水) 20:55配信
宮城県工業高校1年の男子生徒(当時15歳)が今年8月、仙台市内の自宅で自殺したのは、担任の男性教諭から日常的に罵声を浴びせられたり、部活動を禁じられたりしたことが原因として、生徒の父親(44)が31日、県と県教委に第三者委員会での調査を要請した。県教委は第三者委で調査する方針を示したが、同高の西尾正人校長は「(担任教諭の指導は)教育的指導の範囲内と認識している」と話した。
父親によると、男子生徒は入学直後から担任に徹夜をしなければ終わらないほどの課題提出を求められたが、「やり直せ」と突き返されるなどし、6月ごろから部活動への参加も禁じられた。男子生徒は母親に「先生は俺にだけ強く当たる」と話していたという。担任が「別の生徒の机を蹴って怒る」とも話していたという。
男子生徒は夏休み最終日の8月21日、自宅の自室で自殺しているのを母親が発見。同31日には、父親が同高の生徒が書き込んだとみられる「先生が人を殺すなよ」といった内容のツイッターを確認し、県警に相談した。父親はこの日に記者会見を開き、「先生の言葉によるパワハラで『指導死』だ」と訴えた。友人関係のトラブルは確認されておらず、遺書は見つかっていない。
一方、県教委も記者会見し、男子生徒に課題の提出を要求したのは教科担当の教諭で「担任は直接の指導はしていない」と説明した。生徒の部活動を禁じたのも部活の顧問教諭で「勉強が遅れている場合はどのクラスでも部活動を止めて勉強に専念させる。全ての生徒に同じ指導をしている」と述べた。【本橋敦子、滝沢一誠】
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【宮城】仙台の県立高校1年・男子生徒が自殺
KHB東日本放送 2018/10/31(水) 19:01配信
仙台市内の宮城県立高校に通っていた1年生の男子生徒が今年8月、自殺していたことが分かりました。
遺族は担任の教諭による行き過ぎた指導があったとして、県の教育委員会に対し、原因の解明のため第三者委員会の設置を求めました。
遺族によりますと、当時15歳だった宮城県工業高校1年生の男子生徒が、今年8月21日、仙台市内の自宅で亡くなっているのが見つかりました。警察は現場の状況から自殺と判断しました。
遺書は見つかっていませんが、男子生徒は担任の男性教諭から罵声を浴びせられたり、レポート作成をやり直すよう求められたりしたということです。
また、部活動への参加も禁止されるなど、精神的に追い詰められる行き過ぎた指導があったということです。
父親「亡くなった翌日、(担任の)先生も来ましたけれど、お悔やみの言葉がなく息子が隣で寝ているのに息子を(指導で)怒ったことばかり喋って帰りました、人の心を持っていないんだなって思っています」。
遺族は自殺の原因を明らかにしたいとして、村井知事と教育長宛てに第三者委員会の設置を求める要望書を提出しました。
県教育庁・松本文弘次長「こちらも意を決して今回の要望をかなえられるように学校と共に学校を指導しながら、正確な事実把握に努めていきたいと思います。つらい思いをさせて申し訳ございません」。
県教委と高校は自殺があったことは認めていますが、「原因は分からない」としています。また、高校は担任の指導について、工業高校という性質上、時には指導が厳しくなることはあるものの教育的な指導の範疇だった話しています。
宮城県工業高校・西尾正人校長「工業高校におきましては技術水準の維持のために指導が厳しくなることは時にはあるとは思いますが、具体的に指摘された内容については、今後第三者委員会などで客観的に検証していただくよう、調査に全面的に協力していきたいと思う」。
県教委は遺族の要望を受け、第三者委員会を設置し原因の解明に努めることにしています。