「夫の死を無駄にしたくない」急死の市立中教諭、遺族が会見
西日本新聞 2019/1/16(水) 12:13配信
大分県佐伯市立中学校の男性教諭が2017年6月に急死したのは「過労死」だったとして、公務災害の認定請求を行った遺族が同市内で会見を開き、男性の妻(46)は「夫が頑張ったことを分かってほしいとともに、二度と過労死は起きてほしくない。夫の死を無駄にしたくない」と訴えた。
男性教諭=当時(50)=は数学担当で、1年の学年主任や女子バレーボール部の顧問も務めていた。遺族によると、17年度から教職員が減り、年度初めには「新年度が始まるのが恐ろしい」と言っていたという。過労死関連の報道を見て「俺も過労死するかも」と漏らしたといい、自身も中学教諭である妻は「夫の業務量がこんなに多いのかと思った」と当時を振り返った。
男性が亡くなったのは娘(14)の誕生日で、日曜だった。前日には「明日は午後4時には帰ってお祝いしたい」と話していたという。妻は「頑張って生きてくれたと考えるようにしている。家庭を犠牲にしてまで働き、亡くなった本人が一番無念なはず」と語った。
会見は昨年12月にあり、同席した大学生の長男(18)は「同じ家に住んでいるのに会わない日も多く、仕事のリズムがおかしかった。命を落とすとは想像していなかった」と述べるとともに「父の死を多くの人に知ってもらい、二度と同じことが起きないでほしい」と強調した。
県教職員組合によると、当時の校長や同僚の証言などから算出した男性の死亡直前3カ月の時間外労働は月平均175時間で、「過労死ライン」とされる月100時間を超えていた。遺族は昨年11月に公務災害の認定を地方公務員災害補償基金県支部に申請した。