<仙台中2自殺>3年経過、父親「教訓生かされず」 いじめ把握し情報共有を
河北新報 2019/2/10(日) 11:12配信
市内では14年以降、この生徒を含む市立中生3人がいじめ被害を訴え、自ら命を絶った。生徒の父親は河北新報社の取材に「教訓が生かされていない」と憤り、「遺族でないと分からない苦しみがある」と遺族支援に力を入れる考えを示した。
−昨年12月、市いじめ問題再調査委員会が再調査報告書をまとめた。
「報告書には息子がつらさや苦しさで追い詰められた経過が書かれ、息子の訴えを学校が見逃したと指摘した。つらかった気持ちをやっと分かってもらえたと墓前に報告した」
「自殺の直後は気持ちや頭の整理がつかず、体操着姿の中学生を見ると目で追った。声が聞こえるホームビデオは今も見られない」
−昨年11月、泉区寺岡小2年の女児へのいじめを苦に、母親が無理心中したとみられる事件が起きた。
「学校は適切な対応をしたのだろうか。低学年だと甘く見たのではないか。3件の自死があったのに、学校も市教委も3人の死を教訓にしていない。子どもはSOSを発した」
「いじめられた女児を隔離したのもおかしい。関係した児童を校長室登校とすれば、女児は教室で授業を受けられ、給食も楽しく食べられた。学校や市教委は都合の悪いことを隠す。市教委ではなく、市長部局に設けたいじめ対策推進室主導で検証すべきだ」
−いじめによる自殺事案が相次ぎ、遺族団体の役割が大きくなっている。
「遺族は気持ちを整理することができず、夜は眠れない。何かの拍子に涙がこぼれる。これは、遺族同士でないと分からない。息子の後、があり、いじめられている人、悩んでいる人を助けたいと思うようになった。私自身も助けられた。恩返しの気持ちで、同じ境遇の家族にアドバイスしたい」
−学校や市教委にはどんな対応を求めるか。
「条例やマニュアルがあっても、教員の認識が異なると意味がない。担任になる前にいじめ対策の研修を受けるなど、制度上の担保が必要だ。口頭や紙の通達では、全ての教諭に届かない。普段からいじめを把握し、教員同士で情報を共有しないと解決できない」
「いじめた側におとがめがないと、次の標的を探し、いじめを繰り返す。いじめは駄目だと更生させる必要がある。亡くなると、いじめられた側に原因を求めがちだが、将来があるからこそ悔い改めてほしい」
[メモ]仙台市南中山中の男子生徒の自殺を受け、市教委は2016年4月、第三者委員会に調査を諮問。17年3月に答申が出たが、遺族は「いじめと自死の関連性が示されていない」と再検証を要望した。郡和子市長就任後の17年9月に再調査を開始。18年12月に「いじめと自死は強い因果関係がある」などとする答申があり、遺族は受け入れを表明した。郡市長と佐々木洋教育長は謝罪した。