<北海道>教材違法コピー 受験者の心理に付け込んだ手口とは

<北海道>教材違法コピー 受験者の心理に付け込んだ手口とは
HTB北海道テレビ放送 2019/2/21(木) 18:28配信

 函館の元塾経営者が教材のデータを違法にコピーし、生徒と保護者らに売っていたとされる事件。「他では手に入らない」と謳われたテキストは高い値段で取引されていたといいます。
 警察が押収した学習塾のテキスト。教員用と書かれたそのテキストには、生徒に指導する際のポイントが細かく記載されている。これらは本来、生徒の手に渡るものではないという。
 逮捕された函館市の元学習塾経営者・山内武美容疑者(58)と東京の会社役員の男ら5人の身柄は21日、検察庁に送られた。
 窓のブラインド越しに「インターネット予備校」などと書かれた学習塾。山内容疑者が函館市内で経営していた塾だ。
 山内容疑者らは去年4月、塾の指導者向けの教材データが入ったCD−ROMなどを違法にコピーして著作権を侵害した疑いがもたれている。
 山内容疑者は、コピーで作った教材を函館市内の高校生の保護者におよそ100万円で売っていたとみられ、その際、電話でこう勧誘していたという。
 「他の塾では手に入らない特別なテキストがある」「学校の先生が使っている教材なので必ず50位以内に入る」
 誘い文句は「特別なテキスト」。それはどのようなものなのか。
 元々同じ教育関係の会社に勤めていたという山内容疑者らは、教材の卸売り業者から指導者向けの教材データが入ったCD−ROMやDVD−ROMを一人当たり16万円の割り勘で購入。そのコピーをもとにテキストを作り、それぞれが経営する塾で使っていたとみられている。
 その「指導者向けの教材」について、詳しい関係者に話を聞くことができた。
 東京の塾関係者「指導用テキストはまず解答と、『こういうふうに生徒に教えてください』という、なぜその答えに至るか、こと細かく書いてある。指導書があったほうが指導しやすいわけだから高額だけど購入する場合がある。普通には生徒には渡さないことになっている」
 さらに捜査関係者によると、山内容疑者が経営していた塾では、違法コピーで作った指導用のテキストを講師が読み上げるだけの粗末な授業が行われていたという。テキストの販売のみが営業の実態だったとみられている。
 警察は山内容疑者がほかにも販売を繰り返していたとみているほか、クーリングオフ制度での返金にも応じていなかったことから、特定商取引法違反の疑いも視野に捜査している。

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