被害者に一方的な好意か 杉並保育士殺害容疑で逮捕の同僚
産経新聞 2019/4/1(月) 16:37配信
東京都杉並区下井草のアパート2階の一室で、住人の保育士、照井津久美(つぐみ)さん(32)が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された同僚の保育士、松岡佑輔容疑者(31)が事件前、周囲に「照井さんに好意がある」という趣旨の話をしていたことが1日、捜査関係者への取材で分かった。2人に交際関係はなく、警視庁荻窪署捜査本部は松岡容疑者の一方的な恋愛感情が背景にあるとみて詳しい動機を調べている。
捜査本部は同日、2人の勤務先の乳児院を家宅捜索した。
捜査関係者によると、松岡容疑者は、「私は刺していない。他の男がやった」などと容疑を否認する一方で、事件当日、照井さん方を訪問したことをほのめかす供述をしている。現場周辺の防犯カメラには、事件前夜に松岡容疑者とみられる不審な男がうろつく様子や、事件直後に松岡容疑者に似た人物が立ち去る姿が写っていた。
捜査関係者によると、松岡容疑者は6年ほど前から照井さんと同じ乳児院に勤務。仕事ぶりは真面目だったという。職場で2人の間に目立ったトラブルはなく、捜査本部は松岡容疑者が一方的に感情を募らせ、照井さんが夜勤で留守になる時間帯を狙って部屋に侵入するなど、計画的に犯行に及んだとみている。
照井さんは3月26日正午ごろ、夜勤明けで帰宅した直後に襲われ、室内にあった包丁で背中を刺されて死亡した。
乳児院を運営する社会福祉法人は1日、「今回の事態は痛恨の極み」とした上で、「亡くなった職員の思いを胸に、子供たちの暮らしを守り、支えるために精いっぱいの努力を重ねていきたい」などとするコメントを発表した。
人目付かない前夜に侵入、室内で待ち伏せか 保育士殺害
産経新聞 2019/4/2(火) 16:46配信
東京都杉並区下井草のアパートで保育士の照井津久美(つぐみ)さん(32)が殺害され、殺人容疑で同僚の保育士、松岡佑輔容疑者(31)が逮捕された事件で、アパートの住人が事件前夜に侵入経路とみられる屋根からの物音を聞いていたことが2日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁荻窪署捜査本部は松岡容疑者が人目に付かない夜のうちに屋根伝いに照井さん方に侵入し、事件当日の正午ごろまで室内で待ち伏せしていたとみて調べている。
事件直後、アパート付近の防犯カメラに写っていた松岡容疑者とみられる人物が、リュックサックのようなものを背負っていたことも判明。照井さん方のベランダの掃き出し窓のガラスにバーナーなどで熱した上、工具で割ったような形跡があり、こうした道具などを入れていた可能性がある。捜査本部は松岡容疑者の関係先からリュックを押収し、詳しく調べている。
捜査関係者によると、物音は事件前日の深夜〜当日未明、屋根方向から聞こえたという。同時間帯にアパート周辺をうろつく不審な男の姿が防犯カメラに写っており、屋根の上にはアパートの外廊下側から照井さん方のベランダに向かってスニーカーのような足跡が残っていた。
松岡容疑者の自宅からは同型のスニーカーは見つかっておらず、捜査本部は捜査を逃れるために事件後に処分した可能性があるとみている。現場の遺留物のDNA型が松岡容疑者のものと一致しているが、松岡容疑者は調べに「部屋には行ったが、私は刺していない。他の男がやった」などと容疑を否認している。
押収コートから被害者の血痕 杉並保育士殺害
産経新聞 2019/4/3(水) 16:59配信
東京都杉並区下井草のアパート2階の一室で住人の保育士、照井津久美(つぐみ)さん(32)が刺殺された事件で、同僚の保育士、松岡佑輔容疑者(31)=殺人容疑で逮捕=の自宅から押収された黒いコートに、照井さんの血液が付着していたことが3日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁荻窪署捜査本部は松岡容疑者が犯行時にこのコートを着用していたとみて調べている。
また、現場で見つかった凶器の包丁の折れた柄から、松岡容疑者のものとみられるDNA型が検出されていたことも判明。捜査本部が詳しく調べている。
照井さんは包丁で背後から左肩部分を約15センチの深さで刺されており、死因は失血死だった。捜査本部は3月30日、松岡容疑者の自宅を家宅捜索し、現場で目撃された犯人が逃走時に着用していたものとよく似た黒いコートを押収していた。
現場アパートでは、照井さん方前の外廊下から外階段にかけて照井さんの血痕が見つかっており、松岡容疑者が返り血を浴び、逃走時に付いた可能性がある。
家宅捜索でアパートの屋根などに残されていた足跡と同型のスニーカーは見つからなかったが、空箱が発見されており、捜査本部はスニーカーに血液が付着するなどしたため、事件後に処分したとみている。