仙台市のいじめ防止の対策を「検証」 有識者会議 初会合
仙台放送 2019/8/2(金) 12:12配信
仙台市は市や教育委員会のいじめ防止対策を検証する有識者会議を設置し、8月1日に初会合を開きました。
これは今年4月に施行された市の「いじめ防止条例」に基づいて市が設置したもので、初会合では郡市長から、委員を務める大学教授や弁護士などに委嘱状が手渡されました。
会議の目的は市や市教育委員会のいじめ対策について専門家が評価・検証するためのもので、必要であれば対策の見直しも提言します。
初会合では、いじめのアンケート調査のあり方を協議することなどが決まりました。
仙台市いじめ防止等対策検証会議 氏家靖浩 会長
「効果があるものと、その時点で必要性がないものもあるかもしれない。私たちも実直に厳正に意見を述べていく」
検証会議は今年度中に提言をまとめ、郡市長に報告する方針です。
仙台市泉区の館中1年の男子生徒=当時(12)=が2014年9月、いじめを苦に自殺。
学校はクラスメートらに「彼は転校した」と虚偽の説明をしていた。
市教委は2017年3月27日、当時の担任だった女性教諭を訓告、当時の教頭を口頭厳重注意、菅原光博校長(60)を戒告の懲戒処分。
生徒の自殺から2年半も経ってからの処分で、当時の生徒たちは卒業し校長も定年退職となる。
仙台市泉区の市立中2年の男子生徒=当時(14)=が2016年2月にいじめを苦に自殺。
教師たちは同級生たちに、亡くなった生徒とのLINEの履歴の削除を命じる。
仙台市青葉区の折立中2年の男子生徒(13)が2017年4月にマンションから飛び降り自殺。
市教委は4月29日の記者会見でいじめの存在を否定したが、5月1日になって大越裕光・市教育長が「過去にいじめがあったことは事実」と認めた。
宮城県工業高校1年の男子生徒(当時15歳)仙台市内の自宅で自殺。
男子生徒は入学直後から担任に徹夜をしなければ終わらないほどの課題提出を求められたが、「やり直せ」と突き返されるなどし、6月ごろから部活動への参加も禁じられた。
同高の西尾正人校長は「(担任教諭の指導は)教育的指導の範囲内と認識している」と話した。
仙台市内の住宅で小学2年の長女(8)と母親(46)が無理心中。
両親は学校に何度も相談したが「対応する」「もう少し待って」と繰り返された。市教委に訴えても「相手が認めないと解決できない」と言われたという。精神的に追い詰められた長女と母親は、無理心中してしまう。