疑惑のチョ氏、聴聞会で謝罪…法相任命強行も
読売新聞オンライン 2019/9/6(金) 13:21配信
【ソウル=建石剛】韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領の側近で次期法相候補に指名されたチョ国(グク)・ソウル大法学部教授(54)に対する国会の人事聴聞会が6日、始まった。娘の不正入学や家族の不透明なファンド投資など疑惑が次々と浮上しているチョ氏は冒頭、「私と家族のことで大きな失望感を与えた」と謝罪した。文氏は世論を見極めて任命の可否を判断するとみられるが、説明を尽くしたとして任命を強行するとの見方が出ている。
聴聞会には、チョ氏に加え、ファンドの関係者ら11人の証人が呼ばれた。
チョ氏を巡っては、娘が高校生の時にわずか2週間の研修で高度な内容の医学論文の第1著者になり、それを利用して名門・高麗大に不正入学した疑惑などで国民の反発を受けた。新たに、娘の釜山大医学専門大学院への入学を巡っても不正疑惑が浮上した。チョ氏の妻が教授を務める別の大学で、娘が総長賞を受賞したとしていたが、総長が授与を否定し、賞状の偽造疑惑も出た。チョ氏は聴聞会で、家族の疑惑について「大部分は知らない」と述べた。
また、チョ氏の妻と2人の子供が全財産の5分の1に当たる額を投じたファンドが、公共事業で多額の利益を上げた疑惑も持ち上がった。このファンドの運営者はチョ氏のおいで、検察の本格捜査直前に海外逃亡した。
検察は、高麗大や妻の大学の研究室、ファンド関連先などを捜索し、関係者の聴取を進めている。6日午後に外遊から帰国する文氏はチョ氏の任命に踏み切るとの観測もあり、チョ氏が検察を指揮、監督する法相に就任すれば、世論の更なる反発を招きそうだ。