大阪府教委、支援学校教諭を暴言で処分 被害の女性教諭は元校長らに損賠請求
毎日新聞 2019/10/23(水) 20:38配信
大阪府教委は23日、府立の特別支援学校に勤務していた30代の男性教諭が50代の女性教諭ら同僚4人に暴言を吐いたため、昨年6月に訓戒処分にしたと明らかにした。女性教諭は昨年3月、「教職員の心身の安全に配慮する措置を講じなかった」などとして、府と元校長に計600万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴し、裁判は今も続いている。
府教委によると、男性教諭は2012〜14年度、校務の役割分担などで口論になった4人に「とにかく謝れや」などと暴言を繰り返していたという。50代の女性教諭は急性ストレス障害と診断され、約3カ月間休職。15年3月には男性教諭に対して慰謝料など220万円の支払いを求める訴訟を起こした。大阪地裁堺支部は判決で訴えの一部を認めて22万円の支払いを命じたが、暴言と障害の因果関係は認めなかった。
府教委は判決を踏まえ、男性教諭を懲戒処分には至らない訓戒としたが、「職務上の地位や権限を利用したものではない」とパワハラ行為は否定。処分も公表していなかった。
一方、女性教諭は14年8月に自らと同僚の被害を当時の校長に訴えたが、校長は「闘う覚悟がある者だけが被害を訴えるように」と返答し、一部の教諭の被害取り下げにつながったと主張。府教委は「校長の聞き取りは適切だった」と反論している。
提訴が今月に入って報道され、府教委が処分を説明した。【石川将来】