中3転落死「いじめ自殺」断定 岐阜市第三者委
岐阜新聞Web 2019/12/20(金) 7:59配信
岐阜市立中学校3年の男子生徒(14)がマンションから転落死し、自宅からいじめを示唆するメモが見つかった問題で、第三者組織の市教育委員会いじめ問題対策委員会は19日、生徒はいじめが主要因で自殺したとして報告書に盛り込んだと明らかにした。教員の連携不足がいじめを発見できず激化させたとも指摘。同委員会の会合はこの日で終わり、報告書の修正を経て、23日に市教委に答申し公表する。
これまでの生徒への聞き取り調査やいじめを示唆するメモから、いじめを苦に自殺したと断定。いじめ行為は約30件あったと認定しており、校内のトイレで土下座をさせられたり、金銭を要求されたりしていた。また、多くの回数や頻度で激しい平手打ちもあったことを明らかにした。
改善策については教員や学校、市教委の3者に分けた提言を盛り込んだ。第三者委は、5月末に同級生の女子生徒がいじめの内容を訴えたメモを担任教諭に渡したが、当時の担任は校長ら管理職と共有しなかったことなど教員の連携不足を問題視しており、こうした点をいじめ防止対策推進法などに沿って明確に示す。
亡くなった生徒や、いじめのメモを渡した生徒の保護者に、亡くなるまで一度も学校が連絡しなかった点も問題として言及。橋本治委員長は「学校のチェック体制が甘い」と、いじめに関する十分な対応をするには体制に不備があるとし、再発防止に向けて体制の強化を求める。この日が最終会合だったが、今回の議論で指摘された点などを修正するため、答申は23日になる。