中学教頭、非常勤講師から9万円「借金」 発覚後半年、全額返さず 大阪

中学教頭、非常勤講師から9万円「借金」 発覚後半年、全額返さず 大阪
毎日新聞 2019/12/24(火) 18:31配信

 大阪府羽曳野市の市立中の40代男性教頭が「報償費を多めに申請した」とうそをつき、非常勤講師だった20代男性から計9万円を受け取っていた疑いがあることがわかった。市教委は教頭に自宅待機を命じて調査し「不適切な金銭の貸し借り」と認定したが、両者の主張は大きく食い違ったままだ。教育現場でのモラルが厳しく問われそうだ。【隈元悠太、石川将来】

 市教委の調査によると、問題は2018年6〜8月に発生。同僚の指摘で9月に発覚した。校長が事情を聴くと、男性は「多めに報償費が出ているので(毎月)3万円を学校にバックしてほしいと言われた」と話した。一方で教頭は「詳しく覚えていないが、金を貸してくれといったニュアンスで言った」と答えた。

 校長はすぐに返却するよう指示したにもかかわらず、同12月になっても返却されないばかりか、男性が教頭から「校長には『返してもらった』と答えてほしい」と持ちかけられていたことが判明した。教頭は「うっかりしていた」と釈明し、19年3月までにようやく全額返金した。歓送迎会などで同僚らにおごって「ええ格好したかった」と話したという。

 校長から報告を受けた市教委は詐欺事件の可能性もあるとして4〜7月、教頭に自宅待機を命じて調査した。しかし両者の主張は食い違ったままで「真相解明は困難」と判断。「教員同士の不適切な金銭の貸し借り」として調査報告書をまとめて大阪府教委に提出した。男性は18年度末で非常勤講師の期限が切れて既に退職している。

 教頭は毎日新聞の取材に「借りただけ」と繰り返したが「部下からお金を借りる行為自体が不適切で、嫌な思いをさせてしまい申し訳ない」と口にした。

 府教委は「調査内容を精査し、処分すべきか検討する」としている。

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