児童虐待の放課後デイ、職員集団退職へ 代表理事のパワハラ訴え
熊本日日新聞 2020/1/17(金) 8:07配信
放課後等デイサービスを利用する児童への身体的虐待が昨年あった熊本県菊池市の障害児通所支援事業所で、職員が近く集団退職する意向であることが16日、分かった。事業所は、一般社団法人「ジュニアサポート」が同市隈府と泗水町で運営。退職するのは両事業所の職員7人のうち6人で、男性代表理事(57)のパワハラを訴えている。
児童福祉法に基づく放課後デイの人員基準では、専門的な研修を受けた児童発達支援管理責任者(児発管)を最低1人配置。さらに利用者数に応じた児童指導員らを置くことを定めている。6人には児発管も含まれ、利用する約40人の子どもたちの行き場がなくなる可能性がある。
関係者によると、利用者の少なさなどについて、代表理事から数時間怒鳴られた職員もいた。子どもの面前や勤務時間外での叱責[しっせき]のほか、「なぜダイエットしないのか」などの発言もあったという。
市は昨年、代表理事による児童への身体的虐待を認定。16日、児童の面前で職員を叱責することも心理的虐待と認定していたことが分かった。
関係者によると、職員らは同日、退職の意向を代表理事に伝えた。最終勤務日はこれから調整する。「心身の限界で突然の退職となり、子どもたちや保護者に申し訳ない」と話しているという。
隈府の事業所で16日夜、虐待について緊急保護者会があった。(植木泰士、木村恭士)