いじめ対策監、各校に配置 岐阜市

いじめ対策監、各校に配置 岐阜市
岐阜新聞Web 2020/2/1(土) 9:11配信

 岐阜市の市立中学校3年の男子生徒が昨年7月にいじめを苦に自殺したとみられる問題を受け、岐阜市は31日、新年度から、小中学校など全ての市立学校計70校にいじめに対応する担当教員「いじめ対策監」を配置する、と発表した。各校に1人ずつ配置し、いじめの未然防止や早期発見・対応への中核的な役割を担う。一方、対策監が業務に専念できるよう、授業を受け持つ常勤講師を市が独自に70人を雇用し、各校に配置する方針。

 いじめ問題を調査した第三者組織の市教育委員会いじめ問題対策委員会は、昨年12月に市教委へ答申した調査報告書で、教員の情報共有や連携不足などがあり「学校のいじめへの対応の不十分さによって、いじめの激化を止めることができなかった」と指摘した。

 指摘を踏まえ、市立小中学校と特別支援学校、市立岐阜商業高校に対策監を置く。各校が策定するいじめ防止基本方針を研修などを通じて周知・徹底するほか、基本方針に沿って適切に対応しているかの確認、子どもたちを見回る校内巡回、いじめを把握した場合に関係する子どもたちへの聞き取りなども行う。対策監は、生徒指導主事らによる兼務も想定している。

 一方、常勤講師は教員OBらを対象に今後募集する。新年度予算案に講師の人件費などを盛り込む。

 会見した柴橋正直市長は「今回のような悲しい事案を二度と起こしてはならないという決意の下、可能なものから再発防止策を実行する」と述べた。

 2011年に中学生がいじめを苦に飛び降り自殺した大津市では、13年度から「いじめ対策担当教員」を配置している。

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