市尼崎高水泳部いじめ放置 市教委、明言避け「今後調査する」 兵庫・尼崎
神戸新聞NEXT 2020/3/19(木) 8:00配信
兵庫県尼崎市立尼崎高校の水泳部で2017年、不登校となった当時高校1年の女子生徒=退学=の保護者がいじめ被害を訴えたにもかかわらず、学校や同市教育委員会が調査を行わずに約2年間放置していたことが明らかになった18日、市教委は担当課長が報道陣への説明に臨むなどの対応に追われた。ただ、いじめの内容や調査を怠った理由などについての説明は一切無く「第三者委員会の今後の調査で明らかにする」と繰り返すにとどまった。
市教委は3月5日に詳細を把握したと説明。同11日にいじめ防止対策推進法による「重大事態」と認定し、翌12日には市教委の担当者が保護者と元生徒との面談で、対応が遅れたことを謝罪したという。
担当課長1人が臨んだこの日の報道陣への説明。発言は慎重な物言いに終始し、当時、市教委として問題を調査しなかった理由については「分からない」としか答えなかった。さらに、保護者と元生徒との面談で聞き取った具体的ないじめの内容や、学校がいじめを市教委に報告した経緯、その報告内容など、多くの点についても「今後調査する」と述べるにとどめた。
同校では昨年以降、部活動での体罰やいじめの問題が相次いで発覚している。
昨年5月に発覚した男子バレーボール部での体罰事案で、市教委は当初、被害生徒にけがはなかったとしたが、後に訂正。学校側との意思疎通に問題があることを露呈した。
また、今年2月に判明した水泳部の別の女子生徒がいじめ被害を訴えて不登校になった問題では、すでに報道で明らかな学校名や部活名、不登校になった時期すら公表しなかった。その理由を市教委は「調査に支障が生まれる」としたが、保護者らから説明責任のあり方に疑問の声が上がった。
しかし今回は、報道内容の一部を追認する形で公表に踏み切った。「学校の体質を変える意気込みがあるのかを問われている事態だと重く受け止めた」と、その意義を強調するものの、内容は学校名や部活名などにとどまる。一方で「今回は例外中の例外で公表した」とも強調する。
京都精華大人文学部の住友剛教授(教育学)は「事実の公表範囲は個別の事案ごとに対応しなければならず、良しあしを一概には言えない」としつつ「同校で立て続けに問題が起こる根本的な要因を解明しなければならない」と話した。(大盛周平)