出水中2自殺訴訟、和解成立へ いじめ認定なし 市は発生後の対応を遺族に陳謝

出水中2自殺訴訟、和解成立へ いじめ認定なし 市は発生後の対応を遺族に陳謝
南日本新聞 2021/5/20(木) 6:30配信

 出水市の中学2年女子生徒=当時(13)=が2011年9月に自殺したのは学校でのいじめが原因として、遺族が市に1200万円の損害賠償を求めた訴訟の進行協議が19日、鹿児島地裁(古谷健二郎裁判長)であった。関係者によると、市が和解金を支払い、死亡後の調査や対応が遺族の期待に沿うものでなかったことに関して陳謝することで和解が成立する見通しとなった。和解調書でいじめの認定はしないとみられる。和解金額は不明。

 遺族側代理人によると、原告側が前回の協議で要求した和解案への加筆について、被告側が拒否。原告側は要求を取り下げた。

 複数の関係者によると、和解調書では、女子生徒が別の生徒からバッグを蹴られたこと、部活の道具がなくなったことなどの複数の事実を確認し、近接した時期に自殺が発生したことが記載される見込み。

 女子生徒死亡後の13年に制定された「いじめ防止対策推進法」に照らせば、被告側はいじめを想定した対応を検討すべき状態にあったことも盛り込まれる。ただ、複数の事実がいじめであったかどうかや、自殺との因果関係については触れていないという。

 訴えによると、女子生徒は吹奏楽部に所属し、部で使うノートや楽器を手入れする布を隠されるなどのいじめを受け、学校側は対策を取らず安全配慮義務違反があった、などとしている。

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