校長、中1自殺調査の断念促す 死亡生徒親に「写真出る」、埼玉

校長、中1自殺調査の断念促す 死亡生徒親に「写真出る」、埼玉
共同通信 2020/3/28(土) 6:00配信

 さいたま市立南浦和中1年の男子生徒=当時(13)=が2018年に自殺した問題で、第三者調査委員会の設置を要望するか検討していた遺族に対し、益子慶次校長が「写真をずるい週刊誌がネットに上げる」「(男子生徒の)妹にも調査が入る」と、要望しないよう促すような発言をしていたことが27日、関係者への取材で分かった。

 調査の影響で、同校に入学予定の妹に対する配慮がおろそかになるとの発言もあり、遺族はいったん要望を見送った。その後、支援者の後押しで改めて設置を求め、現在、調査が続いている。

 益子校長は「調査には責任を持って協力する」と話した。

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過去の顧問暴言、説明せず 中1自殺、学校側が遺族に
共同通信 2020/3/28(土) 6:29配信

 さいたま市立南浦和中1年の男子生徒=当時(13)=が2018年に自殺した問題で、バドミントン部の男性顧問の指導が原因と訴える遺族に対し、学校側が過去に別の部員への暴言や体罰があったことを把握しながら、詳しく説明しなかったことが28日、関係者への取材で分かった。

 益子慶次校長や顧問が遺族宅を訪れた際の録音データによると、「大声で指導した」などの説明にとどめていた。生徒の母親は取材に「都合の悪い情報を隠し、全く信用できない」と話した。

 益子校長は取材に「第三者委員会の調査中で回答は差し控える」とした。

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 学校は当初、「気持ちが動転している家族の意向」を理由に自殺を不慮の事故として扱い、他の生徒にも説明。同年9月4日、自殺の原因は把握できなかったと遺族に報告した。
 母親は当初、死因を不慮の事故とすることに了承した理由について、「自殺とすると保護者会で遺族が説明しなければならない」「マスコミがたくさん押し寄せて告別式がめちゃくちゃにされてしまう」などと説明されたためと主張。一方、市教委は「家族に寄り添って丁寧に確認したと認識している」と、やりとりを否定した。

 市教委によると、生徒からは、顧問による「バカだ、アホ」「お前存在する意味あるのかよ」といった暴言の訴えがあったほか、自殺前の通常の全校アンケートでも顧問が胸ぐらをつかむ行為をしていたとの回答があった。顧問は「口調が強かったり言い方がきつかったりした」と弁明。校長が口頭指導し、顧問を継続した。今春、市内のほかの中学に異動したという。市教委は「現段階では原因ははっきりしない。第三者委で顧問との関係も詳細に調べる」と話している。

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