学校の「指導放棄」断罪 部活動内いじめ常態化 宝塚・中2女子自殺
神戸新聞NEXT 2020/6/23(火) 5:30配信
自死から3年半の歳月を経てようやく、いじめの詳細と「無為無策」だった学校の対応が明らかになった。兵庫県宝塚市で2016年12月、市立中学2年の女子生徒=当時(14)=が飛び降り自殺した問題。22日に公表された再調査の結果報告は、女子生徒の所属した部活動でいじめが横行していた事実や、女子生徒の異変を知りながら「指導放棄」した学校の実態を次々と浮き彫りにした。
再調査委員会の春日井敏之委員長(立命館大大学院教授)は「学校が本気で指導や支援に入るきっかけは山ほどあった。指導放棄だった」と厳しく断罪した。
再調査報告を受け、代理人弁護士が会見で遺族のコメントを読み上げた。「娘の死は起きるべくして起きた悲劇だった。悲劇にしたのは加害者だけでなく、目をそらし、被害を放置し続けた無為無策の教員たちです」。傍らには、14歳の誕生日にケーキの火を吹き消す女子生徒の姿を描いた似顔絵が置かれていた。
再調査委は昨年7月に発足。同級生や保護者、教員ら計46人から聞き取りし、学校側のいじめに対する認識の甘さを指摘した。
報告書によると、女子生徒は亡くなる2〜3カ月前から無視や陰口などのいじめ被害を受けるように。亡くなる1週間前の12月1日には、別の部員が教員に、「女子生徒が学校に行きたくないと言っている」と伝えた。だが、それを聞いた顧問や学年の教員らは「様子を見る」とし、中には「身から出たさび」と考え、女子生徒に責任を転嫁するような教員もいたという。
女子生徒はその後、「居場所はどこにもない。生きる意味がない」などとノートにつづり、翌日自ら命を絶った。
女子生徒が自死する前年の15年春から、部活動内でいじめが横行していたことも判明。被害者の1人は脱毛症などの症状が出て不登校になるなどした。当時の学校長は「重大事態」として市教育委員会に報告したが、市教委側が認めなかったという。この日会見した市教委は「認めなかったのは大きな責任」としつつ、当時の学校側とのやりとりについては「資料が現段階で見つからず、正確なことは言えない」と言葉を濁した。
(大盛周平)