鹿児島大学贈収賄事件 教授と納入業者社長を起訴
MBC南日本放送 2020/10/28(水) 19:45配信
研究用品などの納入を巡って金品を受け渡ししたとして、鹿児島大学の教授らが逮捕された事件で、鹿児島地検は28日、教授の男と納入業者の社長を起訴しました。
収賄の罪で起訴されたのは、鹿児島大学共同獣医学部の教授・窪田力容疑者(55)、贈賄の罪で起訴されたのは、鹿児島市の納入業者「松窪動薬資材」の社長・松窪清一郎容疑者(51)です。
起訴状などによりますと、窪田被告は、今年1月から先月までの間、松窪被告の会社から動物用医薬品などの納入を巡って便宜を図り、松窪被告から見返りとして現金64万円やパソコンなどを受け取ったとされています。
警察の捜査で、最初に金品の受け渡しを持ちかけたのは、発注の権限を持つ窪田被告とみられ、2人とも容疑を認めていましたが、地検は起訴内容の認否について「公判に支障がある」として明らかにしていません。
なお、この事件で、贈賄の疑いで逮捕されていた松窪被告の会社の49歳の女性従業員は、処分保留で釈放されました。
この事件を巡って、鹿児島大学は27日、学外の有識者らによる調査委員会を設置し事件の経緯を調査していて、その報告をもとに再発防止策や窪田被告の処分を検討することにしています。
業者への発注の見返りに現金を受け取ったなどとして収賄の疑いで逮捕された鹿児島大学の教授の男の身柄が9日、鹿児島地方検察庁に送られた。男は業者を自分で選んで発注できる大学の制度を悪用していたという。
カーテンで隠され、鹿児島地方検察庁に身柄が送られたのは、7日、収賄の疑いで逮捕された鹿児島大学共同獣医学部の教授、窪田力容疑者(55)。警察によると、窪田容疑者は2020年1月頃から9月頃までの間、動物用の医薬品などを販売する、松窪動薬資材から研究などに使用する薬などを調達。見返りとして20数回にわたりあわせて現金約64万円やパソコンなど7点を受け取った疑いがもたれている。
鹿児島大学では教員が50万円以上の発注をする場合、担当の事務職員に必要な物を依頼し、事務職員が業者の選定と契約を行う。しかし、「教員発注」という制度があり1件あたりの契約金額が50万円未満であれば教員が自ら業者を選んで契約を結ぶことが出来る。警察によると、窪田容疑者は松窪動薬資材との取引の際、この制度を悪用していたという。
この事件を巡っては窪田容疑者に現金を渡したなどとして贈賄の疑いで松窪動薬資材を経営する松窪清一郎容疑者(51)と従業員の竹宮紀子容疑者(49)も逮捕されている。2人の身柄も9日鹿児島地方検察庁に送られた。
窪田容疑者は少なくとも数年前からこの会社と取引を行っていることから、警察は余罪を含めて捜査する方針だ。
物品購入で便宜を図った見返りなどで業者から現金計約64万円などを受け取ったとして、鹿児島県警は7日、鹿児島大共同獣医学部教授、窪田力容疑者(55)=鹿児島市草牟田=を収賄容疑で逮捕した。動物用医薬品小売会社「松窪動薬資材」社長の松窪清一郎(51)=同市吉野=と、従業員の竹宮紀子(49)=同市下荒田=の両容疑者も贈賄容疑で逮捕した。
窪田容疑者の逮捕容疑は、2020年1〜9月ごろ、二十数回にわたり、大学付属動物病院の物品調達で便宜を図った見返りなどとして、業者側から現金計約64万円とノートパソコンなど7点(販売価格計約37万円)を受け取ったとしている。県警は3人の認否を明らかにしていない。
県警によると、窪田容疑者は私的な飲食費などの領収書と引き換えに研究室で現金を受け取っていたという。松窪容疑者の会社は牛の精子や卵子を採取する機器などを扱っており、窪田容疑者が一人で納入業者を決めて決済していたという。
鹿児島大のホームページなどによると、窪田容疑者は臨床獣医学が専門で、クローン牛の染色体を巡る遺伝子レベルの研究などに携わってきた。【白川徹】