部活の高2死亡 県高体連専門部「あってはならない」 緊急会合を開く
琉球新報 2021/2/14(日) 20:04配信
今年1月に自ら命を絶った県立高校の男子生徒が、運動部の男性顧問から日常的に叱責されていたとの報道を受け、県高校体育連盟の当該専門部が13日、緊急会合を開いた。近く開催予定の県大会の開催可否や情報共有、今後の対応を話し合った。
専門部長は「亡くなったことはとても残念だ。つらいことで、あってはならない。心を痛めている」と話した。専門部長は、生徒が亡くなったことは連絡を受けたが、顧問の指導内容については把握していないと説明。専門部として顧問への聞き取りをする予定はなく、現時点では県教育委員会が設置する第三者委員会や学校の対応に任せるという。
会合は約1時間にわたり、専門委員約15人が参加した。顧問も同委員の1人だが出席しなかった。専門部は「当事者であり、聞き取りが目的ではない」として出席を呼び掛けなかった。ある委員は「何も分からない。臆測では何も話せない」とし、県大会の開催については「大会に向けて頑張っている子がいる。状況を見ながら判断したい」と話した。
県立高校の運動部主将を務める2年の男子生徒が今年1月、自ら命を絶っていたことが12日までに分かった。遺族によると、生徒は部活動の顧問の男性教諭から「主将をやめろ」「部活をやめろ」などと日常的にきつく叱責されることを悩んでいた。
同校の校長と顧問は今月6日、遺族宅を訪ね「部活動の指導の在り方が間違っていた」として謝罪した。学校は顧問への聞き取りや部活生へのアンケートなどをまとめた「基本調査」を6日付で県教育委員会に提出した。県教委は近く第三者委員会を設置し、詳細調査に移行する方針だ。
遺族によると、亡くなった生徒は力を発揮できなかった一昨年の大会後、顧問教諭から死に結びつくような行動を求める言葉を掛けられたという。
顧問は琉球新報の電話取材に「事実ではない」と発言を否定。「一生懸命育てた子だった。私もとても苦しい。厳しくしていたのはこの子だけではない。行き過ぎた指導だったかどうかは県が決めることだ」と答えた。
生徒の死後、学校は顧問への事情聴取や、教員、生徒へのアンケート調査などを実施。同校によると、生徒が顧問から日常的に厳しい指導を受けていたことが分かる回答があったという。顧問は聞き取り調査に対し「(生徒が亡くなったことに対する)自分の責任は8割」などと述べ、生徒を厳しく指導した理由について「勝たせたかった、頑張ってほしかったとの意味で言葉が荒々しいこともあった」と説明しているという。
同校は取材に対し「部活動の指導の中でプレッシャーを与えられていたと考えられる」と答えた。
遺族や同校関係者によると、生徒が大会で上位の成績を収めた際も、顧問は「まぐれだ」などと言っていたという。顧問が部活動終了後も何度も電話し、生徒は電話に出るのを嫌がる様子もあった。大会前に丸刈りを強要されたこともあったという。
生徒は中学時代までの競技成績が評価され、同校の推薦入試に合格。2年になると主将として部活のまとめ役になった。遺族や学校関係者によると、主将になって以降、顧問の指導は厳しさを増したという。