大学病院で患者60人分の診療報酬を詐取か…薬剤発注巡る贈収賄事件で逮捕の元教授 詐欺容疑でも再逮捕
東海テレビ 2021/2/17(水) 21:02配信
薬剤の発注をめぐる贈収賄事件で逮捕された三重大病院の元教授が、詐欺の疑いでも再逮捕されました。
再逮捕されたのは、三重大学附属病院の臨床麻酔部の元教授・亀井政孝容疑者(54)です。
津地検によりますと、亀井容疑者は2019年9月から去年3月にかけ、部下だった元准教授の境倫宏被告(48)と共謀し、実際には使っていない薬剤を手術の際に使用したようにカルテを改ざんし、患者60人分、計約80万円の診療報酬をだまし取った疑いが持たれています。
津地検は亀井容疑者の認否を明らかにしていません。
亀井容疑者は小野薬品工業の社員の男2人から、薬剤を多数発注する見返りに大学の口座に200万円を入金させた第三者供賄の罪でも、17日起訴されています。
↑亀井政孝3度目の逮捕
以下、亀井政孝と境倫宏が関わった記事一覧
薬剤を多数発注する見返りに、製薬会社の男らに現金200万円を振り込ませたとして、三重大学病院の元教授の男が再逮捕されました。
第三者供賄の疑いで再逮捕されたのは、三重大学病院臨床麻酔部の元教授、亀井政孝容疑者(54)です。
また賄賂を贈ったとして、製薬会社「小野薬品工業」の従業員、山本裕介容疑者(48)と宮田洋希容疑者(44)も逮捕されました。
津地検などによりますと、亀井容疑者は三重大学病院臨床麻酔部の副部長だった2017年12月ごろから2018年3月ごろまでの間に、宮田容疑者から小野薬品工業が製造する薬剤「オノアクト」を多数発注してほしいとの依頼を受け、その見返りと知りながら、小野薬品工業から三重大学の口座へ現金200万円を振り込ませた疑いがもたれています。
津地検は、3人の認否を明らかにしていません。
亀井容疑者は別の医療機器メーカーに便宜を図る見返りとして、自分が代表を務める法人の口座に現金200万円を振り込ませた疑いで逮捕・起訴されています。
三重大付属病院(三重県津市)の医療機器納入を巡る汚職事件で、第三者供賄の疑いで三重、愛知の両県警合同捜査本部に逮捕された同病院の臨床麻酔部長だった元教授で医師、亀井政孝容疑者(54)=大阪市天王寺区=が令和元年に寄付金名目で受け取った金の半分以上を同僚らとの飲食費に充てていたことが捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、寄付金の受け皿となったのは亀井容疑者が代表を務める一般社団法人BAMエンカレッジメント(津市)。同法人には同年、今回の事件で贈賄側となった医療機器製造販売会社「日本光電工業」以外にも複数の医療機器メーカーから寄付金があり、総額は400万円。うち約250万円が飲食代に消えたという。
登記簿によると、団体の活動目的は「麻酔科医に対し、より高度な専門性を付与する活動を行う」などとし、研究会や専門教育セミナーの開催をうたっている。県警は亀井容疑者が麻酔科医の育成などを目的に企業から寄付金を募り、実際は飲食費などに充てていたとみて経緯を調べている。
同病院の医療機器納入で便宜を図った見返りとして、日本光電工業側に現金200万円を同団体の口座に振り込ませたとして、捜査本部は6日、第三者供賄の疑いで、亀井容疑者と元部下で同病院臨床麻酔部の元講師で医師、松成泰典容疑者(46)=京都府木津川市=を逮捕した。
また、捜査本部は贈賄の疑いで、同社中部支店医療圏営業部長、下村篤司(48)=岐阜市、同社三重営業所長の花原慎一郎(41)=津市、同所員の田畑宏樹(36)=鈴鹿市=の三容疑者を逮捕した。亀井、松成の両容疑者を含む5人の認否は明らかにしていない。
捜査関係者によると、亀井容疑者は平成30年5月ごろ、手術室などで使う「生体情報モニター」を令和元年からの6年間で29セット(1億7800万円相当)更新する計画を立てたという。
同年7月には、下村容疑者らが、亀井容疑者らに同モニターを自社製品に入れ替えるよう依頼。31年1月から昨年7月までの一般競争入札で、3セット(約3770万円相当)を同社側が落札した。うち1回の入札で亀井容疑者が便宜を図った疑いがある。
捜査本部はこの日、亀井容疑者ら5人を津地検に送検した。
医療機器の納入を巡り、医師とメーカーの間で贈収賄事件です。見返りに賄賂を受け取ったのは、三重大学病院の元教授らでした。
6日、名古屋市熱田区の医療機器メーカー「日本光電工業」で行われた愛知県警などによる家宅捜索。その理由は、医師との贈収賄事件でした。
逮捕された医師は、三重大学病院臨床麻酔部の元教授の亀井政孝容疑者(54)と、元講師の松成泰典容疑者(46)。
2人は2019年8月、医療機器のモニターの納入を巡り、便宜を図る見返りとして、「日本光電工業」側から現金200万円を振り込ませた疑いが持たれています。
振り込み先は亀井容疑者が代表理事を務める「BAMエンカレッジメント」という一般社団法人。
この社団法人、設立の目的は医療技術の研究や医師の育成でしたが、実際には賄賂の隠れ蓑として使われていた上、その大半を飲食代に使っていたとみられています。
警察は、日本光電工業中部支店に勤める営業部長・下村篤司容疑者(48)ら、社員の男3人も、贈賄の疑いで逮捕。下村容疑者らの同僚によれば、3人の勤務態度は真面目だったといいます。
警察は、全員の認否を明らかにしていませんが、調べによりますと、亀井容疑者は三重大病院に在籍していた2018年、モニター機器の導入を検討していた際に、下村容疑者らに対して見返りの賄賂を要求。その後およそ1億8000万円分の契約が結ばれていたということです。
また三重大病院の臨床麻酔部では12月、亀井容疑者の部下だった元准教授の境倫宏被告が、カルテを改ざんしたなどの罪で起訴されています。さらに…。
(リポート)
「亀井容疑者が法人の事務所を構えていたのは、部下にあたる准教授の自宅でした」
警察は、元教授の亀井容疑者が指示役となり、部内で不正行為を繰り返していた可能性もあるとみて詳しく調べています。
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三重大医学部付属病院(津市)の准教授がカルテを改ざんし診療報酬を不正請求した問題を受け、准教授が所属する臨床麻酔部の複数の麻酔科医が退職届を提出したことが27日、病院関係者への取材で分かった。病院は手術の件数を減らす方向で検討を始めた。病院幹部は「救急外来の受け入れに支障が出る」などとしており、不祥事による影響が患者や地域医療に及ぶ可能性が出ている。
病院関係者によると、9月上旬以降、少なくとも5人が退職届を提出。「一身上の都合」などと説明しているという。このまま全員が退職すれば、自宅謹慎中の准教授と教授を含め、臨床麻酔部の約4割が欠けることになる。
三重大付属病院(津市)の医師が手術で薬剤を投与したように電子カルテを改ざんし、診療報酬を不正請求していた問題で、伊佐地秀司病院長が11日、三重大で記者会見を開き、第三者委員会による調査結果を明らかにした。上司の推奨する薬剤の使用実績を上げるため、臨床麻酔部の医師が単独で行ったと認定され、医師は「上司によく思われたかった」と話しているという。
病院長は2人の肩書を公表しなかったが、大学関係者によると、医師は40歳代の准教授、上司は50歳代の教授。
第三者委の調査では、教授は「合併症を減らせる効能がある」として、抗不整脈剤「ランジオロール塩酸塩」の使用を推奨。それに応えようと准教授は2018年4月〜今年3月、同薬剤を生理食塩水に溶かして点滴使用できる状態にして手術室に持ち込み、使わなかった時は廃棄していた。
カルテ改ざんは、薬剤師から記載内容と在庫が一致しないとの指摘を昨年3月頃に受け、つじつまを合わせていたという。
第三者委は、薬剤の使用実績が伸びれば製薬会社にアピールできることから、教授に奨学寄付金を依頼したいという意思があったとみられると指摘。調査では製薬会社と2人の間で金銭の授受は確認できなかったという。
伊佐地病院長は「患者や県民に迷惑をかけ、申し訳ない。再発防止に努め、信頼回復に取り組みたい」と陳謝した。
三重大学病院の医師による診療報酬の不正請求、第三者委員会が不正の事実を認定しました。
三重大学医学部付属病院などによりますと、ことし3月、複数の医師が手術中に不整脈を防ぐ薬を実際は投与していないにもかかわらず、投与したかのようにカルテを改ざんしている疑いがあると、情報提供がありました。
大学の調査で、不正の疑いがある手術は約2200件で、被害総額は2800万円を超える見込みであることが判明。
その後、外部の医師や弁護士による第三者委員会が詳しく調査していましたが、「不正請求があった」とする報告書をまとめました。
調査対象になっている教授と准教授は現在自宅待機となっていて、大学病院は11日会見を開き、詳しく説明するということです。
三重大学病院の医師が、薬の投与をでっち上げ、不正に診療報酬を請求していたことが分かりました。
三重大学病院などによりますと、ことし3月に複数の医師が、手術中に不整脈を防ぐ薬を実際は投与していないにも関わらず、投与したようにカルテを改ざんしている疑いがあると情報提供がありました。
大学病院が医学部の教授と准教授の2人を調査したところ、改ざんの疑いがあるカルテは約2200件で、不正請求の総額は2800万円を超える見込みだということが分かりました。
大学病院は現在、外部の医師や弁護士による第三者委員会を設置し、詳しい調査を進めていて、遅くとも来週までには報告書をまとめる予定だということです。
また調査対象となっている教授と准教授は、現在自宅待機となっていて、大学病院は警察への被害届の提出も検討しています。
三重大学医学部付属病院(津市)の医師らが不必要な薬品投与に関わった疑いがあるとして、三重大が医師らを自宅謹慎にし、第三者委員会を設置して調査を進めていることが、大学側への取材で分かった。
三重大によると、付属病院の教授と准教授の2人が不要な薬を購入したり、患者に不必要な薬を投与したりした疑いがあるとして、第三者委が調査している間、2人を自宅謹慎にしているという。
病院関係者からの情報提供をきっかけに調査が始まったといい、第三者委は患者のカルテの調査などを進めている。健康被害が出た患者はいないという。(甲斐江里子)