茨城県立高採点ミス 昨春も58校で457件 並木中教校、1人追加合格

茨城県立高採点ミス 昨春も58校で457件 並木中教校、1人追加合格
茨城新聞クロスアイ 2021/3/31(水) 4:00配信

茨城県立高入試の採点ミス問題で、県教委は30日、各校で昨春の入試を点検した結果、58校で計457件のミスが見つかったと発表した。合否に影響する事案はなかったが、答案の1年間の保存期間が守られず11校で誤廃棄していた。今春入試についても採点ミスが新たに88件見つかり、計496件に増えた。併せて、県立中・中等教育学校では昨春と今春2年分の入試を点検した結果、9校で計35件のミスが判明、並木中等教育学校を昨春受検した1人を追加合格とした。

県教委は同日、記者会見を開き、小泉元伸教育長ら幹部が「心よりおわび申し上げる」と謝罪した。

県教委によると、県立高の昨春分の採点ミスは全5教科で確認した。ミスの分類別では得点の誤記入が177件で最も多く、次いで正誤の間違いが159件あった。学校別では下妻二の59件が最も多かった。

答案の誤廃棄は日立工、鹿島灘、石岡商など11校で発覚。1年間の保存を3月31日までの年度単位とすべきところ、採点日や学力検査実施日から数えて1年間にするなど、起点を誤っていたためという。

並木中等教育学校で追加合格とした受検者は、現在公立中に在籍。理科の問題で加点8点の見落としがあり、点検で合格ラインに達した。当時の採点担当者は解答用紙に「8点」と記載したが、他の担当者が「0点」と見間違えて計算したとみられる。

校長や県教委幹部らが29日、保護者と本人に謝罪した。今後は本人の意思を尊重した上で、転入などの対応を図っていく。

県立高の今春入試では、新たに記述式問題の部分点などにミスが見つかった。県教委によると、学校の自主的な再確認で判明。秋本光徳高校教育課長は「部分点の基準の共有が甘かった」とした。

会見で小泉教育長は、2年分にわたる大規模な判明に「これまで(ミスが)見つからなかったのはたまたま。採点のシステム、試験の在り方、現場の方々の態勢などいろいろな分野での課題がある」とし、第三者委員会での検証を経て4月末までに再発防止策をまとめることを強調した。

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