ローマ教皇を悩ます「性的虐待問題」…カトリック教会は死点に達してしまったのか

ローマ教皇を悩ます「性的虐待問題」…カトリック教会は死点に達してしまったのか
ドイツのマルクス枢機卿が辞任申し出
現代ビジネス 2021.06.11 川口 マーン 惠美

日本はキリスト教とはそれほど深い関係がないため、あまり知られていないが、実は、カトリック教会は、ここ数十年、ひたすらスキャンダルに塗れている。カトリック教会の運営する学校や孤児院などで、長年、続いていたらしい暴行や性的虐待の実態が、次々に明るみに出たからだ。
最初の告発は今から30年も前に遡った90年代、アイルランドでのこと。被害者の子供の数は数千人で、1994年には、事件を過小化しようとした首相の首が飛んでいる。
しかし真の問題は、それがアイルランドだけに留まらず、瞬くうちに全世界に広がったことだった。2001年にはアフリカの修道女たちまでが、司教を含む修道僧による集団的な性的暴力にさらされていたことが分かったし、米国では何千人もの被害者が賠償を求めて裁判に訴え始めた。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする