「一番美人を連れてこい」医学部教授が民間病院に酒席で求める”露骨な接待条件”
ブラック病院の女性事務員が犠牲に
PRESIDENT Online 2021/07/25 11:00
和田 秀樹 国際医療福祉大学大学院教授
勤務医の年収は開業医の2分の1〜3分の1だ。働く時間も長いブラック職場で人材をどう確保するのか。精神科医の和田秀樹さんは「大学医学部から医者を回してもらうしかありません。そのため、力関係で上に立つ教授の言いなり状態となることも少なくない」と、歪んだ医療現場の現状を指摘する――。
民間病院は、医者の人員が確保できなければ、病床数を減らすか、病院を潰すしか選択肢がありません。病院を潰したくなければ、医者を確保するしかないのですが、では、どうやって、ブラック職場で収入が少ない勤務医を確保するのでしょうか。
方法は、たった1つ。大学医学部から医者を回してもらうしかありません。大学医学部から医者を回してもらうためには、教授にお願いすることになるのですが、昔は、教授にお願いして医者を回してもらうお礼として、100万円単位のお金が必要でした。
それがばれて、贈収賄として病院の経営者と大学医学部の教授が逮捕された事件をきっかけに、さすがにこの方法はとられなくなりました。2019年に旭川医大の教授が内緒でお金をもらって懲戒解雇になりましたが、そのくらい厳しくなっているのです。
私が聞いた話では、九州のある大学医学部の内科の教授が、「俺がもってきたワインが飲めないのか」と言って病院の事務員の女性に一気飲みを強要し、急性アルコール中毒になるまで飲ませたそうです。内科の医者である教授がワインを一気飲みさせるだけでも問題ですが、話には続きがあります。
教授を接待していた病院には救急外来があったので、そこに急性アルコール中毒になった女性事務員を担ぎ込み、教授もその救急室(もちろん部外者だから立ち入り禁止なのに入ってきたのです)に入り、「こんなに苦しんでいるんだ。早く下着を脱がせろ」とのたまったそうです。